酸素投与方法を工夫してEWSによる気管支充填術を行った間質性肺炎に伴う難治性気胸の1例

背景.間質性肺炎では気胸はしばしばみられる合併症である.進行期の間質性肺炎では慢性的な呼吸不全を呈し,肺機能の低下から外科的治療が行えず治療に難渋する例が多い.難治性気胸ではEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を用いた気管支充填術が考慮されるが,重症呼吸不全では処置中の酸素化が保てず施行困難である.症例.59歳男性.特発性肺線維症に合併した左難治性気胸に対し気管支充填術を検討するも,nasal high flow(NHF)による声帯間隙を通じたhigh-flow therapyと,気管チューブを通じた15 l/分の酸素吹き流しでは酸素化が保てず,施行できなかった...

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Veröffentlicht in:気管支学 2018/09/25, Vol.40(5), pp.468-472
Hauptverfasser: 門田, 和也, 鈴木, 雄二郎, 高田, 尚哉, 田中, 悠也, 久米, 佐知枝, 井上, 明香, 岡田, 信彦, 伊藤, 公一, 笠井, 由隆, 桝屋, 大輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.間質性肺炎では気胸はしばしばみられる合併症である.進行期の間質性肺炎では慢性的な呼吸不全を呈し,肺機能の低下から外科的治療が行えず治療に難渋する例が多い.難治性気胸ではEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を用いた気管支充填術が考慮されるが,重症呼吸不全では処置中の酸素化が保てず施行困難である.症例.59歳男性.特発性肺線維症に合併した左難治性気胸に対し気管支充填術を検討するも,nasal high flow(NHF)による声帯間隙を通じたhigh-flow therapyと,気管チューブを通じた15 l/分の酸素吹き流しでは酸素化が保てず,施行できなかった.Y字吸引アダプターを接続したカフ気管チューブから60 l/分で高流量100%酸素吹き流しを使用して,EWSを用いた気管支充填術を施行した.結語.治療は奏功し,術後1か月が経過するが気胸の再発を認めていない.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.40.5_468