石綿肺の経過観察中に発症し,自然退縮した気管支原発MALTリンパ腫の1例

背景.気管支原発の悪性リンパ腫は非常に稀である.症例.72歳の男性が石綿肺の定期検診で撮影した胸部CTで,左主気管支からsecondary carinaにかけての気管支壁肥厚を指摘され,当科を受診した.2カ月前から咳嗽があったが,医療機関は受診していなかった.気管支鏡検査では,左主気管支からsecondary carinaにかけて気管支粘膜の不整な肥厚があり,左上葉支に軽度の狭小化が見られた.気管支生検組織でMALTリンパ腫と診断した.病変が左気管支のみに限局していたことから経過観察を選択し,6カ月後の気管支鏡検査では,病変は自然退縮していた.結論.石綿肺の定期検診で発見され,自然退縮を認めた...

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Veröffentlicht in:気管支学 2017/09/25, Vol.39(5), pp.392-397
Hauptverfasser: 玉井, 浩二, 門田, 和也, 岡田, 信彦, 鈴木, 雄二郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支原発の悪性リンパ腫は非常に稀である.症例.72歳の男性が石綿肺の定期検診で撮影した胸部CTで,左主気管支からsecondary carinaにかけての気管支壁肥厚を指摘され,当科を受診した.2カ月前から咳嗽があったが,医療機関は受診していなかった.気管支鏡検査では,左主気管支からsecondary carinaにかけて気管支粘膜の不整な肥厚があり,左上葉支に軽度の狭小化が見られた.気管支生検組織でMALTリンパ腫と診断した.病変が左気管支のみに限局していたことから経過観察を選択し,6カ月後の気管支鏡検査では,病変は自然退縮していた.結論.石綿肺の定期検診で発見され,自然退縮を認めた気管支原発のMALTリンパ腫を経験した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.39.5_392