EBUS-TBNAが診断に有用であった縦隔リンパ節腫大を伴う肺クリプトコッカス症の1例

背景.Endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUS-TBNA)は縦隔・肺門リンパ節疾患を伴う肺癌やサルコイドーシスの診断に有用性が確立しているが,近年では感染性疾患の診断にも有用性が報告されている.今回,EBUS-TBNAでクリプトコッカス症を診断した1例を経験したので報告する.症例.75歳男性.IgG4関連腎臓病に対しステロイド治療中であったX-4年にクリプトコッカス髄膜炎を発症.Liposomal amphotericin Bにより治療が開始され,Itraconazole(ITCZ)がX-1年11...

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Veröffentlicht in:気管支学 2017/01/25, Vol.39(1), pp.58-63
Hauptverfasser: 堀内, 実, 高桑, 修, 市川, 博也, 岡山, 未奈実, 金光, 禎寛, 上村, 剛大, 大久保, 仁嗣, 前野, 健, 伊藤, 穣, 小栗, 鉄也, 中村, 敦, 新実, 彰男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.Endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUS-TBNA)は縦隔・肺門リンパ節疾患を伴う肺癌やサルコイドーシスの診断に有用性が確立しているが,近年では感染性疾患の診断にも有用性が報告されている.今回,EBUS-TBNAでクリプトコッカス症を診断した1例を経験したので報告する.症例.75歳男性.IgG4関連腎臓病に対しステロイド治療中であったX-4年にクリプトコッカス髄膜炎を発症.Liposomal amphotericin Bにより治療が開始され,Itraconazole(ITCZ)がX-1年11月まで継続された.X年5月に胸部CTで気管分岐下リンパ節腫大と左S6結節影を指摘され当科を紹介された.18F-fluorodeoxy glucose-positron emission tomographyで両病変に集積を認めたことから,悪性疾患も考慮し左S6肺結節影に対して気管支鏡検査を行ったが診断に至らず,気管分岐下リンパ節に対するEBUS-TBNAで病理学的にクリプトコッカス症と診断した.ITCZの再開により縦隔病変,肺結節影ともに改善し一元的にクリプトコッカス症と考えられた.結果.肺野病変への気管支鏡検査で診断に至らなかったクリプトコッカス症をEBUS-TBNAで診断することができた.結論.EBUS-TBNAはクリプトコッカス症の診断手法になりえる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.39.1_58