長期人工呼吸器管理中に生じた吸引カテーテルの破損による気管支異物の1例

背景.吸引カテーテルの破損による気管支異物の報告は,非常に稀である.症例.82歳,男性.筋萎縮性側索硬化症で長期在宅人工呼吸器管理中であった.受診5日前から発熱を認め抗菌薬を内服したが改善なく緊急入院した.胸部単純CTで中間気管支幹に全長3 cmを越える筒状の構造物がみられ,緊急で気管支鏡検査を施行した.大量の膿性痰と異物を認め摘出した.摘出した異物は口側部分が破損したシリコン製の吸引カテーテルであった.長期間にわたり同じ吸引カテーテルを使用したことが原因と考えられた.結論.長期人工呼吸器装着患者は増加しており,経済的理由などから吸引カテーテルを継続使用している在宅療養例が存在する.長期人工呼...

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Veröffentlicht in:気管支学 2017/01/25, Vol.39(1), pp.43-47
Hauptverfasser: 岡本, 翔一, 高森, 幹雄, 山本, 美暁, 佐藤, 祐, 村田, 研吾, 和田, 曉彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.吸引カテーテルの破損による気管支異物の報告は,非常に稀である.症例.82歳,男性.筋萎縮性側索硬化症で長期在宅人工呼吸器管理中であった.受診5日前から発熱を認め抗菌薬を内服したが改善なく緊急入院した.胸部単純CTで中間気管支幹に全長3 cmを越える筒状の構造物がみられ,緊急で気管支鏡検査を施行した.大量の膿性痰と異物を認め摘出した.摘出した異物は口側部分が破損したシリコン製の吸引カテーテルであった.長期間にわたり同じ吸引カテーテルを使用したことが原因と考えられた.結論.長期人工呼吸器装着患者は増加しており,経済的理由などから吸引カテーテルを継続使用している在宅療養例が存在する.長期人工呼吸器管理の場合には,吸引カテーテルの損傷などの合併症に留意が必要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.39.1_43