繰り返す喀血に対して極細径気管支鏡で確認できた気管支動脈瘤の1例

背景.気管支動脈瘤は喀血の原因になるが,特に小さな末梢病変では時に部位診断に難渋することがある.症例.84歳男性.5年前に喀血にて他院に救急搬送されたが,その際には原因は特定できなかった.3年7か月前に再喀血(2回目)があり,かかりつけ医を受診.CTにて右S2に区域性の浸潤影を認め,当科紹介.極細径気管支鏡を用いて観察したところ,右B2biiβに1 mm程度の表面平滑な拍動性の隆起性病変を認め,周囲に血餅が付着しており,気管支動脈瘤による喀血と診断した.2か月前に再喀血(3回目)あり.CTでは気管支動脈瘤を指摘できなかった.気管支動脈造影では動脈瘤を指摘することはできなかったが,右気管支動脈塞...

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Veröffentlicht in:気管支学 2016/09/25, Vol.38(5), pp.410-414
Hauptverfasser: 鳥羽, 博明, 先山, 正二, 松本, 大資, 河北, 直也, 坪井, 光弘, 梶浦, 耕一郎, 川上, 行奎, 滝沢, 宏光, 近藤, 和也, 丹黒, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支動脈瘤は喀血の原因になるが,特に小さな末梢病変では時に部位診断に難渋することがある.症例.84歳男性.5年前に喀血にて他院に救急搬送されたが,その際には原因は特定できなかった.3年7か月前に再喀血(2回目)があり,かかりつけ医を受診.CTにて右S2に区域性の浸潤影を認め,当科紹介.極細径気管支鏡を用いて観察したところ,右B2biiβに1 mm程度の表面平滑な拍動性の隆起性病変を認め,周囲に血餅が付着しており,気管支動脈瘤による喀血と診断した.2か月前に再喀血(3回目)あり.CTでは気管支動脈瘤を指摘できなかった.気管支動脈造影では動脈瘤を指摘することはできなかったが,右気管支動脈塞栓術を施行した.結論.自験例では6次分枝に位置するような1 mm大という非常に小さな病変であったが,極細径気管支鏡を用いたことで診断することができた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.38.5_410