凝血塊による気道閉塞に対しハイマン鉗子で摘出後に気管支充填術と気管支動脈塞栓術にて止血できた大量喀血の1例
背景.大量喀血は,凝血塊による中枢気道閉塞から窒息を招くクリティカルな状態である.速やかな換気と気道の確保に加えて,確実な緊急止血処置が要求される.症例.既往に関節リウマチ,気管支拡張症を持つ77歳男性.右下腿蜂窩織炎による敗血症と急性呼吸促迫症候群を発症し,集中治療室で人工呼吸器管理となった.集学的治療により呼吸不全は改善し,気管切開術後に一般病棟で治療を受けていた.下肢深部静脈血栓症を併発しワルファリンを内服中に血痰を認め,同薬を中止したが,大量喀血による急性呼吸不全をきたした.気管切開孔から気管支鏡を挿入したが,気管は凝塊血で閉塞され内腔を観察できなかったため,気管切開孔から挿入したハイ...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2016/09/25, Vol.38(5), pp.377-381 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.大量喀血は,凝血塊による中枢気道閉塞から窒息を招くクリティカルな状態である.速やかな換気と気道の確保に加えて,確実な緊急止血処置が要求される.症例.既往に関節リウマチ,気管支拡張症を持つ77歳男性.右下腿蜂窩織炎による敗血症と急性呼吸促迫症候群を発症し,集中治療室で人工呼吸器管理となった.集学的治療により呼吸不全は改善し,気管切開術後に一般病棟で治療を受けていた.下肢深部静脈血栓症を併発しワルファリンを内服中に血痰を認め,同薬を中止したが,大量喀血による急性呼吸不全をきたした.気管切開孔から気管支鏡を挿入したが,気管は凝塊血で閉塞され内腔を観察できなかったため,気管切開孔から挿入したハイマン鉗子で凝血塊を把持して一塊に摘出した.その後気管支鏡で観察し,出血源が右B10bと左B6であることが確認できた.左B6にはEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)による気管支充填術を行った.右B10bからの出血に対しては気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization:BAE)を行い,止血することができた.結語.大量喀血による凝血塊で気道閉塞をきたし呼吸不全を生じたが,ハイマン鉗子による凝血塊の摘出,EWSによる気管支充填術,さらにBAEにより救命できた1例を経験したので,報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.38.5_377 |