食道癌術後の胸腔間交通による両側同時気胸の1手術例

背景.両側同時気胸は稀である.一因として極めて稀ながら,胸腔間交通のため発症することがある.症例.69歳,男性.食道癌術後.呼吸苦を主訴に受診,両側気胸のため両側胸腔ドレナージを行い,入院となった.両側気胸と持続的肺瘻のため手術方針とした.結果.まず,右側から鏡視下bulla切除を行った.体位変換時にsealing testで右胸腔内に注入した生理食塩水が左側ドレーンから大量に流出し,両側胸腔交通が判明した.次いで左側の鏡視下手術を行った.詳細な観察でも明らかな交通孔は確認できなかったため,bulla切除後に交通孔を疑った部位にポリグリコール酸シートを被覆し,フィブリン糊を塗布した.結論.両側...

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Veröffentlicht in:気管支学 2016/03/25, Vol.38(2), pp.130-133
Hauptverfasser: 親松, 裕典, 大畑, 賀央, 成田, 久仁夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.両側同時気胸は稀である.一因として極めて稀ながら,胸腔間交通のため発症することがある.症例.69歳,男性.食道癌術後.呼吸苦を主訴に受診,両側気胸のため両側胸腔ドレナージを行い,入院となった.両側気胸と持続的肺瘻のため手術方針とした.結果.まず,右側から鏡視下bulla切除を行った.体位変換時にsealing testで右胸腔内に注入した生理食塩水が左側ドレーンから大量に流出し,両側胸腔交通が判明した.次いで左側の鏡視下手術を行った.詳細な観察でも明らかな交通孔は確認できなかったため,bulla切除後に交通孔を疑った部位にポリグリコール酸シートを被覆し,フィブリン糊を塗布した.結論.両側同時気胸では再発予防が重要で,胸腔間交通孔を有する場合,その閉鎖を行う必要がある.術前に治療戦略を十分に練り,手術に臨むべきである.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.38.2_130