EBUS-TBNAを契機として確定診断が得られた単結節影を呈したサルコイドーシスの1例

背景.サルコイドーシスの胸部X線所見として,単結節影は非常に稀であり非典型的所見とされる.また縦隔リンパ節腫脹に対して確定診断を得る方法として,近年超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)の有用性が確立しつつある.症例.49歳女性.右背部痛を主訴に近医受診.胸部X線にて右上肺野に約20 mm大の単結節影を認め,当科紹介初診.胸部CTでは右肺門・縦隔リンパ節の腫大も認められ,FDG-PETの画像所見も合わせて右上葉の原発性肺癌が強く疑われた.確定診断目的にE...

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Veröffentlicht in:気管支学 2016/01/25, Vol.38(1), pp.48-53
Hauptverfasser: 祢木, 芳樹, 栗林, 康造, 間瀬, 浩史, 本田, 実紀, 金村, 晋吾, 堀尾, 大介, 藤本, 英利子, 幸田, 裕一, 守屋, 友美子, 中村, 智子, 大搗, 泰一郎, 家城, 隆次, 中野, 孝司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.サルコイドーシスの胸部X線所見として,単結節影は非常に稀であり非典型的所見とされる.また縦隔リンパ節腫脹に対して確定診断を得る方法として,近年超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration:EBUS-TBNA)の有用性が確立しつつある.症例.49歳女性.右背部痛を主訴に近医受診.胸部X線にて右上肺野に約20 mm大の単結節影を認め,当科紹介初診.胸部CTでは右肺門・縦隔リンパ節の腫大も認められ,FDG-PETの画像所見も合わせて右上葉の原発性肺癌が強く疑われた.確定診断目的にEBUS-TBNAを含む気管支内視鏡検査を施行したところ,右S3の単結節には悪性所見は認められず,EBUS-TBNAを施行した#2Rリンパ節から非乾酪性肉芽腫病変を認めた.EBUS-TBNAで得られた所見と以降の精査とを合わせて,サルコイドーシスの確定診断を得た.結語.画像所見上FDG強陽性を呈する単結節影に対して,EBUS-TBNAを含む気管支内視鏡検査を施行する際には,非常に稀ではあるがサルコイドーシスも鑑別診断として考慮し,確定診断が得られるように検査を進める必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.38.1_48