気管支鏡下に拍動性血管病変を伴った腎細胞癌肺転移の1例

背景.腎細胞癌肺転移巣はhypervascularな性格を有し,内視鏡的生検時の大量出血に注意を要することが知られている.症例.62歳男性.2003年に腎細胞癌で右腎摘出術を施行されている.術後10年目のCTで右上葉に径14mm大の造影効果の強い孤立性結節影を認めた.転移性肺腫瘍を疑い気管支内視鏡検査を施行したところ,右B^3bの狭窄と中枢側に拡張した血管および拍動性の隆起を認めたため,生検は行わず右上葉切除術を施行した.病理所見にて腎淡明細胞を認め,腎細胞癌肺転移と診断した.腫瘍と気管支粘膜との間に比較的太い筋性動脈と静脈を認め,その近傍には動静脈瘻を形成していた.気管支内視鏡で確認された拍...

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Veröffentlicht in:気管支学 2015/11/25, Vol.37(6), pp.684-687
Hauptverfasser: 芳野, 充, 椎名, 裕樹, 西村, 大樹, 安田, 直史, 斎藤, 幸雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.腎細胞癌肺転移巣はhypervascularな性格を有し,内視鏡的生検時の大量出血に注意を要することが知られている.症例.62歳男性.2003年に腎細胞癌で右腎摘出術を施行されている.術後10年目のCTで右上葉に径14mm大の造影効果の強い孤立性結節影を認めた.転移性肺腫瘍を疑い気管支内視鏡検査を施行したところ,右B^3bの狭窄と中枢側に拡張した血管および拍動性の隆起を認めたため,生検は行わず右上葉切除術を施行した.病理所見にて腎淡明細胞を認め,腎細胞癌肺転移と診断した.腫瘍と気管支粘膜との間に比較的太い筋性動脈と静脈を認め,その近傍には動静脈瘻を形成していた.気管支内視鏡で確認された拍動性隆起は,拡張した動脈および動静脈瘻と診断された.結論.腎細胞癌肺転移巣に伴う異常血管を病理学的に確認した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.37.6_684