心臓サルコイドーシスが疑われる症例に対する気管支鏡検査の有用性の検討
背景.心臓サルコイドーシスはステロイド治療やペースメーカーの適応となるが,その確定診断は難しく,他臓器での類上皮細胞肉芽腫の証明や臨床診断で治療を開始することが多い.気管支鏡検査による気管支肺胞洗浄(以下BAL)や経気管支的肺生検(以下TBLB)はサルコイドーシスの診断に有効だが,胸郭以外に病変の首座がある場合,気管支鏡検査は行われないことも多い.今回,当院の循環器内科に心臓サルコイドーシスとして通院している症例を中心に,気管支鏡検査の有用性について検討した.目的.心臓サルコイドーシスの診断における気管支鏡検査の有用性を検討する.方法.心臓サルコイドーシスとして当院の循環器内科に通院歴のある6...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2014/11/25, Vol.36(6), pp.589-593 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 背景.心臓サルコイドーシスはステロイド治療やペースメーカーの適応となるが,その確定診断は難しく,他臓器での類上皮細胞肉芽腫の証明や臨床診断で治療を開始することが多い.気管支鏡検査による気管支肺胞洗浄(以下BAL)や経気管支的肺生検(以下TBLB)はサルコイドーシスの診断に有効だが,胸郭以外に病変の首座がある場合,気管支鏡検査は行われないことも多い.今回,当院の循環器内科に心臓サルコイドーシスとして通院している症例を中心に,気管支鏡検査の有用性について検討した.目的.心臓サルコイドーシスの診断における気管支鏡検査の有用性を検討する.方法.心臓サルコイドーシスとして当院の循環器内科に通院歴のある60例のうち,継続通院を要した24例においてその診断方法,治療経過について検討した.結果.気管支鏡検査が行われたのは9例であり,TBLBは全例で,BALは8例で行われ,TBLBの検体に類上皮肉芽腫を認めたのは4例で,BAL液では正確な結果を確認できた7例全例でリンパ球比率の上昇とCD4/8比の上昇を認めていた.組織診断群の中では,気管支鏡による肺生検での診断が最も多く,組織診断ができていない14例中気管支鏡検査を受けていたものは4例と少なかった.結語.気管支鏡検査は,心臓病変が中心となるサルコイドーシスにおいても有用であることが示唆された.心臓サルコイドーシスの場合には低心機能例や致死的不整脈の既往例などが含まれており,安全性も含め適応を検討する必要がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.36.6_589 |