呼気一酸化窒素測定により病勢を追跡した好酸球性肺炎の1例

背景.呼気一酸化窒素(fractional exhaled nitric oxide,FeNO)は,気道における好酸球性炎症の指標として,気管支喘息の診断や治療に臨床応用されている.私たちは,FeNO測定により好酸球性肺炎の病勢を追跡した.症例.68歳の男性で,咳嗽,呼吸困難,微熱を訴え,胸部X線写真では,両側上中肺野の末梢側優位に,スリガラス様陰影を認めた.白血球は13,600/μl,好酸球は37.1%と増加し,FeNOは300ppb以上と極めて高値を示した.経気管支鏡的肺生検(TBLB)にて,好酸球性肺炎と診断された.ステロイドの投与により,自覚症状,胸部X線写真のスリガラス様陰影,白血球...

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Veröffentlicht in:気管支学 2014/05/25, Vol.36(3), pp.293-297
Hauptverfasser: 沖本, 二郎, 林, 敏清, 栗原, 武幸, 宮下, 修行
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.呼気一酸化窒素(fractional exhaled nitric oxide,FeNO)は,気道における好酸球性炎症の指標として,気管支喘息の診断や治療に臨床応用されている.私たちは,FeNO測定により好酸球性肺炎の病勢を追跡した.症例.68歳の男性で,咳嗽,呼吸困難,微熱を訴え,胸部X線写真では,両側上中肺野の末梢側優位に,スリガラス様陰影を認めた.白血球は13,600/μl,好酸球は37.1%と増加し,FeNOは300ppb以上と極めて高値を示した.経気管支鏡的肺生検(TBLB)にて,好酸球性肺炎と診断された.ステロイドの投与により,自覚症状,胸部X線写真のスリガラス様陰影,白血球数,好酸球数は改善し,FeNOもステロイド投与終了時には,29ppbと著明に低下した.結論.FeNOは,好酸球性肺炎の診断に役立ち,その病勢把握に有用であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.3_293