肺原発性腺様嚢胞癌(solid type)の1例

背景.気管支原発肺腺様嚢胞癌は,原発性肺癌の中で一般的に比較的予後良好な疾患とされるが,solid typeを呈する腫瘍は予後不良との報告がある.症例.61歳男性.前医で右肺炎の診断で加療中であった.気管支鏡検査で右中葉気管支を閉塞する腫瘤を認め,当科へ紹介された.胸部CTで右肺門部に中葉気管支を閉塞する最大径3cmの腫瘤を認め,細胞診で非小細胞癌と診断した.遠隔転移の所見はなく,右肺全摘術を施行した.病理組織診断では,多形性,紡錘状,類円形状の異型細胞が,充実性,蜂巣状,柵状に増殖していた.免疫染色では,S-100,c-kitが陽性であり,腺様嚢胞癌のsolid typeと診断した.術後経過...

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Veröffentlicht in:気管支学 2014/05/25, Vol.36(3), pp.288-292
Hauptverfasser: 鈴木, 潤, 池谷, 朋彦, 高橋, 伸政, 村井, 克己, 星, 永進
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支原発肺腺様嚢胞癌は,原発性肺癌の中で一般的に比較的予後良好な疾患とされるが,solid typeを呈する腫瘍は予後不良との報告がある.症例.61歳男性.前医で右肺炎の診断で加療中であった.気管支鏡検査で右中葉気管支を閉塞する腫瘤を認め,当科へ紹介された.胸部CTで右肺門部に中葉気管支を閉塞する最大径3cmの腫瘤を認め,細胞診で非小細胞癌と診断した.遠隔転移の所見はなく,右肺全摘術を施行した.病理組織診断では,多形性,紡錘状,類円形状の異型細胞が,充実性,蜂巣状,柵状に増殖していた.免疫染色では,S-100,c-kitが陽性であり,腺様嚢胞癌のsolid typeと診断した.術後経過は良好であったが,7カ月目に大腿骨転移を来し,術後1年4カ月後に原病死した.結論.solid typeを呈する肺原発腺様嚢胞癌は,腺様嚢胞癌の他の組織型と比較して予後不良の可能性がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.3_288