気管支内腔へポリポイドに進展した浸潤性胸腺腫の1例

症例.68歳男性.血痰を主訴に,近医を受診した.胸部X線にて異常陰影を指摘され,肺癌を疑い,当院へ紹介受診された.胸部CT上,左上葉S^3縦隔側に48×46mm大の腫瘤を認め,肺門に向かって左B^3内腔をポリポイドに充填する所見を認めた.気管支鏡検査にて,左上区支内腔が隆起性病変により高度狭窄を認めていたため,同部位より生検を施行した.組織学的に,胸腺T細胞および上皮細胞の増殖を認め,胸腺腫と診断した.胸腺腫胸腺全摘,左上葉・心膜合併切除術を施行し,永久標本で最終的に胸腺腫(WHO分類Type B1)の肺浸潤および気管支内進展を確認した.結論.肺に直接浸潤し,気管支内腔をポリポイドに進展する特...

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Veröffentlicht in:気管支学 2014/03/25, Vol.36(2), pp.183-187
Hauptverfasser: 杉山, 栄里, 大松, 広伸, 梅村, 茂樹, 仁保, 誠治, 永井, 完治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:症例.68歳男性.血痰を主訴に,近医を受診した.胸部X線にて異常陰影を指摘され,肺癌を疑い,当院へ紹介受診された.胸部CT上,左上葉S^3縦隔側に48×46mm大の腫瘤を認め,肺門に向かって左B^3内腔をポリポイドに充填する所見を認めた.気管支鏡検査にて,左上区支内腔が隆起性病変により高度狭窄を認めていたため,同部位より生検を施行した.組織学的に,胸腺T細胞および上皮細胞の増殖を認め,胸腺腫と診断した.胸腺腫胸腺全摘,左上葉・心膜合併切除術を施行し,永久標本で最終的に胸腺腫(WHO分類Type B1)の肺浸潤および気管支内進展を確認した.結論.肺に直接浸潤し,気管支内腔をポリポイドに進展する特異な発育を示した,浸潤性胸腺腫の1例を経験した.このような進展形式を呈する浸潤性胸腺腫は稀ながら認められ,鑑別時に考慮する必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.2_183