Stenotrophomonas maltophiliaによる気管支炎症性ポリープに対して胸腔鏡下肺区域切除を施行した1例

背景.気管支炎症性ポリープは,稀な非腫瘍性病変であり,その成立機序は明確ではない.今回,炎症性ポリープの成因としてStenotrophomonas maltophiliaが考えられ,手術を施行した1例を経験したので報告する.症例. 66歳,男性.血痰を主訴に前医を受診し,胸部CTで左B^末梢気管支内腔に腫瘤を認め,精査加療目的で当科へ紹介となった.細径気管支鏡検査を行ったところ,左B^内腔にポリープ様腫瘤と白苔付着を認めた.生検では悪性所見はなく,細菌検査でも有意な細菌は検出されなかった.悪性の可能性が完全に否定できなかったため,胸腔鏡下S^区域切除を施行した.肉眼では,腫瘤はB^内腔に突出し...

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Veröffentlicht in:気管支学 2013/11/25, Vol.35(6), pp.661-665
Hauptverfasser: 青山, 万理子, 三好, 孝典, 露口, 勝, 日野, 直樹, 坪井, 光弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支炎症性ポリープは,稀な非腫瘍性病変であり,その成立機序は明確ではない.今回,炎症性ポリープの成因としてStenotrophomonas maltophiliaが考えられ,手術を施行した1例を経験したので報告する.症例. 66歳,男性.血痰を主訴に前医を受診し,胸部CTで左B^末梢気管支内腔に腫瘤を認め,精査加療目的で当科へ紹介となった.細径気管支鏡検査を行ったところ,左B^内腔にポリープ様腫瘤と白苔付着を認めた.生検では悪性所見はなく,細菌検査でも有意な細菌は検出されなかった.悪性の可能性が完全に否定できなかったため,胸腔鏡下S^区域切除を施行した.肉眼では,腫瘤はB^内腔に突出しており,病理所見では,腫瘍性変化はなく,慢性炎症所見を認めた.後日,組織の培養検査よりStenotrophomonas maltophiliaが検出され,気管支炎症性ポリープの要因の1つと考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.35.6_661