胸腔鏡下に切除した肺動静脈奇形の破裂による血胸の1例

背景.肺動静脈奇形の破裂による血胸の報告は少ない.症例. 20歳代男性.起床時,突然の胸痛を訴え近医に救急搬送された.胸部X線で左胸水貯留を指摘され,試験穿刺では暗赤褐色の液体であった.胸部造影CTでは,左S^ 末梢に5cm大の辺縁が造影効果を示す腫瘤影を認めた.腫瘍破裂による血胸の診断で当院に搬送された.転院後の検査で血胸や貧血の進行はみられず,待機的に手術を行うこととした.手術は胸腔鏡下に行った.胸腔内は暗赤色の胸水が200ml存在し,左下葉の背側に5cm大の横隔膜と癒着した黒色の腫瘤を認めた.腫瘍を含め肺部分切除術を行った.術中迅速診断で悪性所見は認めなかった.病理診断は,大小の血管腔が...

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Veröffentlicht in:気管支学 2013/03/25, Vol.35(2), pp.184-187
Hauptverfasser: 金岡, 里枝, 岡村, 亮, 檜垣, 瑛香, 出嶋, 仁, 小泉, 聡子, 松谷, 哲行, 川村, 雅文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺動静脈奇形の破裂による血胸の報告は少ない.症例. 20歳代男性.起床時,突然の胸痛を訴え近医に救急搬送された.胸部X線で左胸水貯留を指摘され,試験穿刺では暗赤褐色の液体であった.胸部造影CTでは,左S^ 末梢に5cm大の辺縁が造影効果を示す腫瘤影を認めた.腫瘍破裂による血胸の診断で当院に搬送された.転院後の検査で血胸や貧血の進行はみられず,待機的に手術を行うこととした.手術は胸腔鏡下に行った.胸腔内は暗赤色の胸水が200ml存在し,左下葉の背側に5cm大の横隔膜と癒着した黒色の腫瘤を認めた.腫瘍を含め肺部分切除術を行った.術中迅速診断で悪性所見は認めなかった.病理診断は,大小の血管腔が集簇蛇行し不完全な中膜弾性板がみられ,肺動静脈奇形と診断した.結論.肺動静脈奇形の破裂による血胸は致死的な合併症でもあり,外科的な切除が必要と考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.35.2_184