右肺中下葉切除・術後補助化学療法後に発症した遅発性肺胞瘻の治療経験

背景.肺気腫合併肺癌術後の遅発性肺胞瘻は,すでに強固な胸膜癒着が完成した時期に発症するため,その外科的修復は容易ではない.症例. 69歳,男性.肺気腫合併肺癌に対する中下葉切除術後4か月目に肺胞瘻を遅発発症した.画像所見から,残存上葉は中下葉切除後のフリースペースに面する葉間胸膜面以外はほとんど全て胸壁と強固に癒着し,肺胞瘻はその葉間面に生じているため,胸腔ドレナージと血液凝固第XIII因子製剤の投与では治癒を得られず,胸腔鏡下フィブリンシート貼付術を施行し瘻を閉鎖した.術後経過は良好で,術後14か月が経過したが肺胞瘻の再発はない.結論.肺気腫合併肺癌術後の遅発性肺胞瘻に対して,本法は有用な手...

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Veröffentlicht in:気管支学 2013/01/25, Vol.35(1), pp.45-48
Hauptverfasser: 遠藤, 克彦, 深井, 一郎, 幸, 大輔, 川野, 理, 水野, 幸太郎, 田中, 宏紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺気腫合併肺癌術後の遅発性肺胞瘻は,すでに強固な胸膜癒着が完成した時期に発症するため,その外科的修復は容易ではない.症例. 69歳,男性.肺気腫合併肺癌に対する中下葉切除術後4か月目に肺胞瘻を遅発発症した.画像所見から,残存上葉は中下葉切除後のフリースペースに面する葉間胸膜面以外はほとんど全て胸壁と強固に癒着し,肺胞瘻はその葉間面に生じているため,胸腔ドレナージと血液凝固第XIII因子製剤の投与では治癒を得られず,胸腔鏡下フィブリンシート貼付術を施行し瘻を閉鎖した.術後経過は良好で,術後14か月が経過したが肺胞瘻の再発はない.結論.肺気腫合併肺癌術後の遅発性肺胞瘻に対して,本法は有用な手術法と考える.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.35.1_45