気管支内にポリープ状発育し気管支鏡検査にて診断された肺癌肉腫の1例

背景.肺癌肉腫は肺癌中0.3%と稀な疾患であり,気管支鏡検査を含めた比較的侵襲の少ない検査などで診断確定まで至ることは,極めて困難とされている.症例.症例は67歳男性,主訴は咳,発熱,乾性咳嗽を自覚するようになり近医受診,胸部X線上右下肺野に異常陰影を指摘され発熱も認めるようになったため,精査加療目的にて当院入院となった.気管支鏡検査を施行したところ,右下葉気管支入口部を完全に閉塞し,ポリープ状に発育した腫瘍が認められた.腫瘍中心部は白苔で覆われ,一部白苔を除去すると暗赤色小顆粒状を呈していた.一方,腫瘍周辺部の気管支壁は黄白色調顆粒状凹凸不整が認められた.そのため,まず腫瘍中心部より生検を行...

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Veröffentlicht in:気管支学 2013/01/25, Vol.35(1), pp.25-29
Hauptverfasser: 田口, 和仁, 若松, 謙太郎, 永田, 忍彦, 大村, 春孝, 加治木, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺癌肉腫は肺癌中0.3%と稀な疾患であり,気管支鏡検査を含めた比較的侵襲の少ない検査などで診断確定まで至ることは,極めて困難とされている.症例.症例は67歳男性,主訴は咳,発熱,乾性咳嗽を自覚するようになり近医受診,胸部X線上右下肺野に異常陰影を指摘され発熱も認めるようになったため,精査加療目的にて当院入院となった.気管支鏡検査を施行したところ,右下葉気管支入口部を完全に閉塞し,ポリープ状に発育した腫瘍が認められた.腫瘍中心部は白苔で覆われ,一部白苔を除去すると暗赤色小顆粒状を呈していた.一方,腫瘍周辺部の気管支壁は黄白色調顆粒状凹凸不整が認められた.そのため,まず腫瘍中心部より生検を行い肉腫成分が,腫瘍周辺部より生検にて癌腫成分が得られ,肺癌肉腫と診断した.結論.近年本邦で気管支鏡検査により診断に至った報告はないため,若干の文献的考察を踏まえ報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.35.1_25