金属ステントにて救命し長期経過を得た超高齢者挿管後気管狭窄の1例

背景.挿管後気管狭窄に対し,気管支鏡下治療が選択されることが多い.また良性疾患に対する金属ステント留置は合併症の問題から意見が分かれるところである.症例.96歳男性.心不全・肺炎にて15日間挿管管理されていた.抜管後35日目より喘鳴と呼吸困難感を自覚.気管支鏡検査にて声帯より10cmの気管に膜様狭窄を認め,気管支鏡下拡張術の予定としたが,翌日早朝に窒息をおこしたため,早急な治療が必要となった.全身状態が悪く,短時間での手技が可能であり,低侵襲で確実な拡張が得られるcovered Ultranex^ stent留置を同日施行した.喘鳴と呼吸困難感は直後から消失し,退院が可能となった.結論.本症例...

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Veröffentlicht in:気管支学 2012/07/25, Vol.34(4), pp.358-362
Hauptverfasser: 西牟田, 浩伸, 高木, 啓吾, 桐林, 孝治, 石井, 智貴, 草地, 信也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.挿管後気管狭窄に対し,気管支鏡下治療が選択されることが多い.また良性疾患に対する金属ステント留置は合併症の問題から意見が分かれるところである.症例.96歳男性.心不全・肺炎にて15日間挿管管理されていた.抜管後35日目より喘鳴と呼吸困難感を自覚.気管支鏡検査にて声帯より10cmの気管に膜様狭窄を認め,気管支鏡下拡張術の予定としたが,翌日早朝に窒息をおこしたため,早急な治療が必要となった.全身状態が悪く,短時間での手技が可能であり,低侵襲で確実な拡張が得られるcovered Ultranex^ stent留置を同日施行した.喘鳴と呼吸困難感は直後から消失し,退院が可能となった.結論.本症例では留置後quality of life(QOL)の向上が得られ,また3年7か月経過観察しているが,大きな合併症を認めず,非常に有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.4_358