気管支肺胞洗浄後に増悪したインフリキシマブ投与中の急性呼吸不全に対し持続的陽圧換気療法を併用した2症例
背景.今回,インフリキシマブ投与中に出現した急性呼吸不全に対し,診断目的に気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage;BAL)を施行したところ呼吸不全の増悪を認め,持続的陽圧換気療法(continuous positive airway pressure;CPAP)の併用が有用であった2症例を経験したので報告する.症例.症例1は80歳男性.関節リウマチにてインフリキシマブを導入後18か月目に呼吸不全が出現した.メトトレキサートによる薬剤性肺炎を疑いBALを施行後,ステロイドパルス療法を開始したが翌日にβ-Dグルカンの上昇を認めたためニューモシスチス肺炎(Pneumocysti...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2012/07/25, Vol.34(4), pp.335-342 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.今回,インフリキシマブ投与中に出現した急性呼吸不全に対し,診断目的に気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage;BAL)を施行したところ呼吸不全の増悪を認め,持続的陽圧換気療法(continuous positive airway pressure;CPAP)の併用が有用であった2症例を経験したので報告する.症例.症例1は80歳男性.関節リウマチにてインフリキシマブを導入後18か月目に呼吸不全が出現した.メトトレキサートによる薬剤性肺炎を疑いBALを施行後,ステロイドパルス療法を開始したが翌日にβ-Dグルカンの上昇を認めたためニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia;PCP)と考えスルファメトキサゾール・トリメトプリム(sulfamethoxazole-trimethoprim;ST)による治療を開始とした.BAL施行後に増悪した呼吸不全に対してはCPAPを併用し呼吸状態の改善を認めた.症例2は42歳女性,関節リウマチにてインフリキシマブによる治療開始2か月後に急性呼吸不全を呈し胸部単純X線にてびまん性のスリガラス状陰影を認め,血中のβ-Dグルカンも高値であった.PCPと考えBALを施行後,ST合剤とステロイド薬にて治療を開始した.BAL施行後に増悪した呼吸不全に対しては1例目と同様にCPAPを併用した.結論.インフリキシマブ投与中に出現した呼吸不全にはBALを用いた早期の診断が重要であり,それによって増悪した呼吸不全にはCPAPの併用が有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.34.4_335 |