緊張性気胸で発症した先天性気管支閉鎖症の1手術例

背景.先天性気管支閉鎖症の末梢肺は気腫化をきたし気胸を合併することが知られる.中枢気管支と交通のない末梢肺が気腫化を起こす機序は解明されていないが,側副換気からのair trapping機構による肺胞内圧の上昇が推測されている.症例.13歳の男性.突然の胸痛で発症し徐々に呼吸困難が出現.胸部単純X線写真で左緊張性気胸と診断され即日胸腔ドレナージ施行.CTにて左B^3気管支閉鎖症と診断した.ドレーン挿入後気漏は停止したが,緊張性気胸の再発を危惧して手術を行った.手術所見.S^と連続した本来のS^3と思われる気腫化した肺を認め,その末梢にブラの集簇を認めた.気管支,肺動脈を認めず,肺静脈の還流のみ...

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Veröffentlicht in:気管支学 2012/07/25, Vol.34(4), pp.325-328
Hauptverfasser: 小泉, 聡子, 松谷, 哲行, 金岡, 里枝, 岡村, 亮, 檜垣, 瑛香, 川村, 雅文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.先天性気管支閉鎖症の末梢肺は気腫化をきたし気胸を合併することが知られる.中枢気管支と交通のない末梢肺が気腫化を起こす機序は解明されていないが,側副換気からのair trapping機構による肺胞内圧の上昇が推測されている.症例.13歳の男性.突然の胸痛で発症し徐々に呼吸困難が出現.胸部単純X線写真で左緊張性気胸と診断され即日胸腔ドレナージ施行.CTにて左B^3気管支閉鎖症と診断した.ドレーン挿入後気漏は停止したが,緊張性気胸の再発を危惧して手術を行った.手術所見.S^と連続した本来のS^3と思われる気腫化した肺を認め,その末梢にブラの集簇を認めた.気管支,肺動脈を認めず,肺静脈の還流のみを認めた.S^との境界は明瞭で気腫化した肺を摘出した.結論.本症に伴う肺の気腫化は側副換気からのair trapping機構が原因と推測される.気胸を発症した場合緊張性気胸になる可能性も考慮する必要があると思われる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.4_325