EBUS-TBNAで悪性細胞を確認し,放射線化学療法が著効した肺門・縦隔リンパ節癌が疑われた1例

背景.肺門・縦隔リンパ節癌は稀な癌である.これまでは多くの症例が治療をかねた外科的切除により診断されていた.今回endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUS-TBNA)で診断し,放射線化学療法を施行した1例を経験したので報告する.症例.64歳の男性,6カ月前に前立腺癌と診断され,ホルモン療法をうけていた.経過観察の胸部写真で左肺門に腫瘤を指摘された.胸部CTで左肺門,左気管気管支リンパ節,気管前リンパ節の腫脹を認めた.全身検索で上記以外に肺内を含め腫瘍性病変.EBUS-TBNAを上記4リンパ節で施行し...

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Veröffentlicht in:気管支学 2012/03/25, Vol.34(2), pp.133-138
Hauptverfasser: 小牧, 千人, 丹羽, 崇, 辰岡, 浩樹, 池田, 庸子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.肺門・縦隔リンパ節癌は稀な癌である.これまでは多くの症例が治療をかねた外科的切除により診断されていた.今回endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration(EBUS-TBNA)で診断し,放射線化学療法を施行した1例を経験したので報告する.症例.64歳の男性,6カ月前に前立腺癌と診断され,ホルモン療法をうけていた.経過観察の胸部写真で左肺門に腫瘤を指摘された.胸部CTで左肺門,左気管気管支リンパ節,気管前リンパ節の腫脹を認めた.全身検索で上記以外に肺内を含め腫瘍性病変.EBUS-TBNAを上記4リンパ節で施行し腺癌(非前立腺癌)を検出し,肺門・縦隔リンパ節癌と診断した.治療はIII期の肺腺癌に準じ,放射線化学療法を施行した.完全寛解となり現在経過観察中である.結論.肺門・縦隔リンパ節癌の報告例は手術で診断された例が多い.最近ではEBUS-TBNAも普及し,低侵襲に診断しやすくなると思われる.それにより本例のように多発リンパ節陽性例には非手術療法も選択肢となり得ると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.2_133