15.全肺洗浄を行った自己免疫性肺胞蛋白症の1例(第90回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は36歳男性. 某年4月よりMRC 1度の呼吸困難を認めた. 5月の健康診断で両側胸部浸潤陰影を指摘され, 当院紹介となった. 気管支肺胞洗浄液は米のとぎ汁様を呈した. 抗GM-CSF自己抗体陽性, 経気管支肺生検結果とも合わせて自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)と診断した. APAPでは, 症状と安静臥位の動脈血液酸素分圧(PaO2)により定められた井上の重症度を用いて治療指針(案)が作成され, 重症度3(70 torr>PaO2≧60 torr)以上の中等症以上の症例で全肺洗浄が検討される. 当症例は重症度2(症状あり, PaO2≧70 torr)と比較的軽症であり, 対処療法や経過観察...

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Veröffentlicht in:気管支学 2012/01/25, Vol.34(1), pp.95-96
Hauptverfasser: 蓑毛, 祥次郎, 杉本, 親寿, 中尾, 桂子, 廣岡, 亜矢, 竹内, 奈緒子, 香川, 智子, 玉舎, 学, 林, 清二, 新井, 徹, 井上, 義一, 清水, 重喜, 北市, 正則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は36歳男性. 某年4月よりMRC 1度の呼吸困難を認めた. 5月の健康診断で両側胸部浸潤陰影を指摘され, 当院紹介となった. 気管支肺胞洗浄液は米のとぎ汁様を呈した. 抗GM-CSF自己抗体陽性, 経気管支肺生検結果とも合わせて自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)と診断した. APAPでは, 症状と安静臥位の動脈血液酸素分圧(PaO2)により定められた井上の重症度を用いて治療指針(案)が作成され, 重症度3(70 torr>PaO2≧60 torr)以上の中等症以上の症例で全肺洗浄が検討される. 当症例は重症度2(症状あり, PaO2≧70 torr)と比較的軽症であり, 対処療法や経過観察が推奨される. しかし, 本例は活動度の高い運送業に従事し, 労作時呼吸困難のため勤務に支障を来した. したがって, 11月, 患者の希望を考慮して全肺洗浄を行った. 患者のライフスタイルに応じて, 全肺洗浄の適応を検討する必要があると考えられる.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.1_95_5