胸腔鏡下肺生検で診断しえた61歳無症状リンパ脈管筋腫症の1例

背景.リンパ脈管筋腫症(LAM)は妊娠可能な女性の疾患と考えられてきが,最近,医療と診断技術の進歩により40歳代以降の女性に診断されるようになってきた.症例.61歳女性.喫煙歴.肺炎の精査加療目的で紹介入院.胸部CT上,両側全域にわたり多発性の薄壁嚢胞(最大径25mm)がみられ,また両側散在性の淡い浸潤影が認められた.炎症症状と浸潤影が抗菌薬で消失したあと嚢胞の原因について精査した.診断はつかなかったが,CT上LAMが最も疑われ,胸腔鏡下肺生検を実施した.病理組織上,嚢胞壁にLAM細胞がみられ,また抗HMB45抗体免疫染色で陽性を示したためLAMと診断した.閉経後女性に進行しているLAMにおい...

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Veröffentlicht in:気管支学 2012/01/25, Vol.34(1), pp.11-16
Hauptverfasser: 大村, 春孝, 片平, 雄之, 若松, 謙太郎, 南, 貴博, 岩崎, 泰憲, 田口, 和仁, 池亀, 聡, 加治木, 章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:背景.リンパ脈管筋腫症(LAM)は妊娠可能な女性の疾患と考えられてきが,最近,医療と診断技術の進歩により40歳代以降の女性に診断されるようになってきた.症例.61歳女性.喫煙歴.肺炎の精査加療目的で紹介入院.胸部CT上,両側全域にわたり多発性の薄壁嚢胞(最大径25mm)がみられ,また両側散在性の淡い浸潤影が認められた.炎症症状と浸潤影が抗菌薬で消失したあと嚢胞の原因について精査した.診断はつかなかったが,CT上LAMが最も疑われ,胸腔鏡下肺生検を実施した.病理組織上,嚢胞壁にLAM細胞がみられ,また抗HMB45抗体免疫染色で陽性を示したためLAMと診断した.閉経後女性に進行しているLAMにおいては,自覚症状がなく,胸郭外症状も明らかでない場合,診断は難しい.結論.CT上,原因不明の多発性の薄壁嚢胞をみた場合,閉経後であってもLAMは当初より否定すべき疾患とはならない.また組織診断が要(かなめ)となるため,可能ならば経気管支的肺生検より胸腔鏡下肺生検が望ましい.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.34.1_11