急速な増大を認めた小細胞型悪性胸膜中皮腫の1例

背景.小細胞型中皮腫は悪性胸膜中皮腫の中でも稀な組織型でありその報告は極めて少ない.症例.74歳男性.肝細胞癌治療中の3年前から原因不明の右胸水貯留を指摘されていた.2006年3月胸部CT,局所麻酔下胸腔鏡胸膜生検で精査するも確定診断に至らなかった.同年7月より背部痛と呼吸困難が出現し,再検した胸部CTにて以前は認めなかった胸腔を占拠する巨大腫瘤を認めた.その後,急速に呼吸不全となり同年8月に永眠された.病理解剖にて腫瘍の大部分は小円形細胞のびまん性増殖であったが,一部に上皮型中皮腫の像を認め,小細胞型中皮腫と診断した.結論.小細胞型胸膜中皮腫の症例報告は,検索し得た限り本邦では本症例が初めて...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/11/25, Vol.33(6), pp.435-442
Hauptverfasser: 石川, 結美子, 小林, 和幸, 船田, 泰弘, 山本, 正嗣, 堀, 朱矢, 新家, 治子, 畠山, 由記久, 坂下, 明大, 小谷, 義一, 西村, 善博, 大林, 千穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.小細胞型中皮腫は悪性胸膜中皮腫の中でも稀な組織型でありその報告は極めて少ない.症例.74歳男性.肝細胞癌治療中の3年前から原因不明の右胸水貯留を指摘されていた.2006年3月胸部CT,局所麻酔下胸腔鏡胸膜生検で精査するも確定診断に至らなかった.同年7月より背部痛と呼吸困難が出現し,再検した胸部CTにて以前は認めなかった胸腔を占拠する巨大腫瘤を認めた.その後,急速に呼吸不全となり同年8月に永眠された.病理解剖にて腫瘍の大部分は小円形細胞のびまん性増殖であったが,一部に上皮型中皮腫の像を認め,小細胞型中皮腫と診断した.結論.小細胞型胸膜中皮腫の症例報告は,検索し得た限り本邦では本症例が初めての報告であり,貴重な症例と考えられるため報告した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.6_435