気管支鏡下に摘出した誤嚥薬剤による気管支異物の1例

背景.気管支異物は小児・高齢者に多く発生するが,薬剤の誤嚥による気管支異物の報告は稀である.症例.78歳の男性で,潰瘍性大腸炎の治療目的に当院内科でプレドニゾロン,タクロリムス,メサラジン(アサコール^[○!R])の3剤による内服加療中であった.経過中,胸部X線にて浸潤影を認め,誤嚥性肺炎として抗生剤を投与した.翌日の胸部CT上,3つの異物を認め,緊急気管支鏡検査を施行した.薬剤(錠剤)は容易に観察可能であった.鰐口鉗子では把持困難であったが,スネア鉗子・バスケット鉗子により3錠全て摘出された.結論.カプセル剤の摘出にはスネア鉗子が有用であったが,溶解した軟らかいものにはバスケット鉗子が有用で...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/11/25, Vol.33(6), pp.431-434
Hauptverfasser: 野崎, 俊樹, 青島, 宏枝, 池田, 豊秀, 前, 昌宏, 中野, 清治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支異物は小児・高齢者に多く発生するが,薬剤の誤嚥による気管支異物の報告は稀である.症例.78歳の男性で,潰瘍性大腸炎の治療目的に当院内科でプレドニゾロン,タクロリムス,メサラジン(アサコール^[○!R])の3剤による内服加療中であった.経過中,胸部X線にて浸潤影を認め,誤嚥性肺炎として抗生剤を投与した.翌日の胸部CT上,3つの異物を認め,緊急気管支鏡検査を施行した.薬剤(錠剤)は容易に観察可能であった.鰐口鉗子では把持困難であったが,スネア鉗子・バスケット鉗子により3錠全て摘出された.結論.カプセル剤の摘出にはスネア鉗子が有用であったが,溶解した軟らかいものにはバスケット鉗子が有用であった.意識障害のある者に対する内服薬の経口投与は誤嚥のないよう注意を要する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.6_431