27.受動喫煙の関与が疑われた好酸球性肺炎の1例(第34回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)

症例は22歳男性. 2010年8月に1回のみ喫煙の既往あり. 2010年12月下旬に実家で大掃除を手伝ったが, その際に喫煙者の父親および弟と一緒であった. その後まもなく咳, 発熱, 息切れを自覚するようになり2011年1月初旬に近医受診胸部X線写真にて右上葉を主体とする両肺の浸潤影・すりガラス状陰影を認め, 肺炎の診断にて同院入院し抗菌薬などを投与されるも改善を認めず, 2011年1月中旬当院転院となった. 転院時の末梢血白血球数12,400/μl, 好酸球比率33.4%(前医入院時には白血球数11,100/μl, 好酸球比率14.8%), 血清CRP2.23mg/dlと, 持続的な好酸球...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/09/25, Vol.33(5), pp.399
Hauptverfasser: 徳永, 一, 北里, 裕彦, 城, 幸督, 工藤, 国広, 岩間, 映二, 伊勢, 信治, 吉見, 通洋, 田尾, 義昭, 高田, 昇平, 岡林, 寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は22歳男性. 2010年8月に1回のみ喫煙の既往あり. 2010年12月下旬に実家で大掃除を手伝ったが, その際に喫煙者の父親および弟と一緒であった. その後まもなく咳, 発熱, 息切れを自覚するようになり2011年1月初旬に近医受診胸部X線写真にて右上葉を主体とする両肺の浸潤影・すりガラス状陰影を認め, 肺炎の診断にて同院入院し抗菌薬などを投与されるも改善を認めず, 2011年1月中旬当院転院となった. 転院時の末梢血白血球数12,400/μl, 好酸球比率33.4%(前医入院時には白血球数11,100/μl, 好酸球比率14.8%), 血清CRP2.23mg/dlと, 持続的な好酸球増多および炎症反応亢進を認め, 病歴とあわせ受動喫煙が関与した好酸球性肺炎が疑われた. 入院第2病日に気管支鏡検査を行い, 気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球比率が85%と高値であり, BALF中の細菌・抗酸菌および細胞診検査では特記すべき異常所見を認めなかった. 患者はステロイド薬の短期間投与にてすみやかに病状改善を認めた. 受動喫煙によって発症したと考えられる好酸球性肺炎の症例報告が近年散見されており, 診療にあたって十分に注意する必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.5_399_2