15.中縦隔に発生した重症筋無力症合併胸腺腫の胸腔鏡下切除の1例(第137回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は51歳男性. 2011年2月より眼瞼下垂, 複視, 労作時呼吸困難, 頸部の筋力低下を自覚し, 3月に当院神経内科を受診した. 全身型重症筋無力症と診断され, 胸腺摘出術目的で当科紹介となった. 抗Ach-R抗体33nmol/l. 胸部CTでは前縦隔に異常を認めず, 右中縦隔に1.5cm大の境界明瞭な結節を認めた. 造影効果を軽度認め, 異所性胸腺腫が疑われた. 入院時からピリドスチグミン120mg/day内服を開始して症状の改善を認め, 胸腔鏡下胸腺胸腺腫摘出術を施行した. 中縦隔の結節は, 正岡I期のWHO分類Type B1胸腺腫であり, 周囲に異所性胸腺組織を伴っていた. 術後第2...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/09/25, Vol.33(5), pp.373-374
Hauptverfasser: 肥塚, 智, 佐藤, 史朋, 高橋, 祥司, 秦, 美暢, 大塚, 創, 田巻, 一義, 湯浅, 玲奈, 鈴木, 亜衣香, 高木, 啓吾, 高澤, 隆紀, 笹井, 大督, 渋谷, 和俊, 桐林, 孝治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は51歳男性. 2011年2月より眼瞼下垂, 複視, 労作時呼吸困難, 頸部の筋力低下を自覚し, 3月に当院神経内科を受診した. 全身型重症筋無力症と診断され, 胸腺摘出術目的で当科紹介となった. 抗Ach-R抗体33nmol/l. 胸部CTでは前縦隔に異常を認めず, 右中縦隔に1.5cm大の境界明瞭な結節を認めた. 造影効果を軽度認め, 異所性胸腺腫が疑われた. 入院時からピリドスチグミン120mg/day内服を開始して症状の改善を認め, 胸腔鏡下胸腺胸腺腫摘出術を施行した. 中縦隔の結節は, 正岡I期のWHO分類Type B1胸腺腫であり, 周囲に異所性胸腺組織を伴っていた. 術後第2病日に眼瞼下垂, 四肢脱力が増悪したためピリドスチグミン180mg/dayに増量し, 術後第4病日に240mg/dayに増量したところ, 第6病日に症状が改善して歩行可能となった. 中縦隔の異所性胸腺腫は検索し得た範囲内で7例が報告されていたが, 重症筋無力症合併例の報告は1例のみで, 稀な症例と思われ報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.5_373_5