54.ペメトレキセド+カルボプラチン療法に異なる効果を呈した同時多発肺癌の1例(第19回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は74歳男性. 近医にて胸部X線を施行したところ, 両側肺腫瘤影を指摘され精査目的にて当院紹介となる. 胸部CTにて, 右下葉と左上葉の2カ所に腫瘤影を認めた. 右下葉腫瘤影が主病巣と考えられ, 同部より経気管支肺生検を施行したところ, 肺腺癌と診断された. 左上葉腫瘤影は, 画像上肺内転移と同時多発肺癌の鑑別が困難であった. ペメトレキセド+カルボプラチン療法を2コース施行したところ, 右下葉腫瘤影は著明な縮小傾向を認めたが, 左上葉腫瘤影は増大傾向を認めた. 2個の腫瘤でそれぞれ化学療法の感受性が異なったため, 今度は左上葉腫瘤影より経気管支肺生検を施行したところ, 同部より扁平上皮癌...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/05/25, Vol.33(3), pp.206-207
Hauptverfasser: 梅村, 茂樹, 塩手, 康弘, 亀井, 治人, 山根, 弘路, 矢野, 琢也, 洲脇, 俊充
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は74歳男性. 近医にて胸部X線を施行したところ, 両側肺腫瘤影を指摘され精査目的にて当院紹介となる. 胸部CTにて, 右下葉と左上葉の2カ所に腫瘤影を認めた. 右下葉腫瘤影が主病巣と考えられ, 同部より経気管支肺生検を施行したところ, 肺腺癌と診断された. 左上葉腫瘤影は, 画像上肺内転移と同時多発肺癌の鑑別が困難であった. ペメトレキセド+カルボプラチン療法を2コース施行したところ, 右下葉腫瘤影は著明な縮小傾向を認めたが, 左上葉腫瘤影は増大傾向を認めた. 2個の腫瘤でそれぞれ化学療法の感受性が異なったため, 今度は左上葉腫瘤影より経気管支肺生検を施行したところ, 同部より扁平上皮癌が検出され, 腺癌と扁平上皮癌の同時多発肺癌と診断された. その後左上葉の扁平上皮癌には, TS-1(R)単剤療法が奏効を認めた. ペメトレキセドは組織型による腫瘍効果の差が大きく, その感受性の違いが組織診断へのきっかけとなった興味深い経過を呈した1例を経験したため, 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.3_206_5