10.成人の急性気管気管支軟化症に対して,緊急Dumonステント留置を行った1例(第19回 日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)
今回, 45歳の男性で, 多発性骨髄腫に対するサリドマイド投与後に, 呼吸困難を自覚, 気管気管支軟化症と診断し, 緊急ステント留置術にて治療した症例を経験したので, 報告する. 2001年より多発性骨髄腫の加療を受けていたが, 半年前よりサリドマイドの服用を開始した. 2週間前より呼吸苦が出現. 急激な症状悪化をきたし, 自宅で倒れているのを発見され, 救急車にて当院に搬送された. 来院時, 血圧227/126mmHg, 心拍137/分, 呼吸回数:促迫, 下顎呼吸, 陥没呼吸約40回/分, SatO2 96%(酸素リザーバーマスク9l/分)で, 頸部から正中前胸部にかけて高度な狭窄音ととも...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2011/05/25, Vol.33(3), pp.197 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回, 45歳の男性で, 多発性骨髄腫に対するサリドマイド投与後に, 呼吸困難を自覚, 気管気管支軟化症と診断し, 緊急ステント留置術にて治療した症例を経験したので, 報告する. 2001年より多発性骨髄腫の加療を受けていたが, 半年前よりサリドマイドの服用を開始した. 2週間前より呼吸苦が出現. 急激な症状悪化をきたし, 自宅で倒れているのを発見され, 救急車にて当院に搬送された. 来院時, 血圧227/126mmHg, 心拍137/分, 呼吸回数:促迫, 下顎呼吸, 陥没呼吸約40回/分, SatO2 96%(酸素リザーバーマスク9l/分)で, 頸部から正中前胸部にかけて高度な狭窄音とともに両側呼吸音の減弱を認めた. 胸部CTで気管遠位部~両側主気管支内腔が虚脱しており, 原因不明の急性気管支軟化症と診断した. 直ちに, BiPAPにて陽圧呼吸とした. 呼吸状態は改善し, PaO2 91.6mmHg, PaCO2 67.8mmHgであったものが, 入院3時間後でPaO2 132.0mmHg, PaCO2 50.7mmHgとなった. 翌日, 緊急全身麻酔下に, 両側主気管支から頸部気管までのDumon Y字ステントを留置した. 術後3日目に酸素より離脱. 術後5日目に退院となった. 術後4カ月の現在, 多発性骨髄腫の加療のためサリドマイドの内服は継続しているが, 呼吸苦の再燃なく, 外来でフォローしている. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.33.3_197_2 |