25.診断に苦慮したdesmoplastic mesotheliomaの1例(第135回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

【症例】64歳男性. 【職業】大工(解体作業も行い, アスベスト曝露歴あり). 2009年春頃から労作時呼吸困難を自覚し, 近医受診し胸部CTにて右胸膜肥厚を指摘されるも陳旧性胸膜肥厚の判断で経過観察となっていた. 同年12月腰痛が出現したため, 胸部CTを再検したところ, 右肺全周性の胸膜肥厚と肝転移を疑う所見を認めた. その後他院で精査するも診断できず, 2010年3月当院呼吸器センター(外科)に入院し, VATS下生検組織像では線維性に肥厚した胸膜内の一部に細胞密度の高い部分が巣状にみられた. この部分では大型のクロマチンが増量した核を有する細胞のstoriform patternな増殖...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/03/25, Vol.33(2), pp.133
Hauptverfasser: 太田, 宏樹, 佐藤, 敬太, 杉野, 圭史, 阪口, 真之, 磯部, 和順, 後町, 杏子, 岩田, 基秀, 和田, 知博, 市川, 敦央, 卜部, 尚久, 壽満, ありさ, 鈴木, 亜衣香, 村松, 陽子, 菊池, 直, 石田, 文昭, 佐野, 剛, 坂本, 晋, 高井, 雄二郎, 本間, 栄, 佐藤, 史朋, 高橋, 祥司, 秦, 美暢, 高木, 啓吾, 根本, 哲生, 渋谷, 和俊, 廣島, 健三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【症例】64歳男性. 【職業】大工(解体作業も行い, アスベスト曝露歴あり). 2009年春頃から労作時呼吸困難を自覚し, 近医受診し胸部CTにて右胸膜肥厚を指摘されるも陳旧性胸膜肥厚の判断で経過観察となっていた. 同年12月腰痛が出現したため, 胸部CTを再検したところ, 右肺全周性の胸膜肥厚と肝転移を疑う所見を認めた. その後他院で精査するも診断できず, 2010年3月当院呼吸器センター(外科)に入院し, VATS下生検組織像では線維性に肥厚した胸膜内の一部に細胞密度の高い部分が巣状にみられた. この部分では大型のクロマチンが増量した核を有する細胞のstoriform patternな増殖を認めることから, desmoplastic mesotheliomaと診断した(IMIG cT4N0M1[肝・骨転移]). 1st lineとしてシスプラチン・ペメトレキセートを1コース, 2nd lineとしてジェムザール(R)を投与するも腫瘍縮小効果は認めず, 病状が進行し, 死亡. desmoplastic mesotheliomaの診断は極めて困難である場合が多く, 文献的考察を含め報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.2_133_4