経気管支肺生検にて診断し得たアレルギー性肉芽腫性血管炎の1例

背景.アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)の病理組織学的診断は好酸球浸潤と壊死を伴う血管外肉芽腫および壊死性血管炎の存在であるが,経気管支肺生検(TBLB)でこれらの所見を得ることは困難である.症例.41歳男性.38歳時気管支喘息を発症し,重症持続型のため内服ステロイド薬治療をしていた.労作時呼吸困難,胸部X線写真にて両肺野に浸潤影が出現し当院紹介受診となった.末梢血白血球数は11,300/μl,好酸球は3,277/μlであり,気管支肺胞洗浄液中の好酸球は85.0%と増多を認めた.明らかな血管炎症状は認めずMPO-ANCAも陰性であったが,TBLBにて壊死性肉芽腫および血管炎を認めAGAと診断...

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Veröffentlicht in:気管支学 2011/03/25, Vol.33(2), pp.104-108
Hauptverfasser: 高山, 幸二, 倉持, 仁, 宮崎, 泰成, 稲瀬, 直彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)の病理組織学的診断は好酸球浸潤と壊死を伴う血管外肉芽腫および壊死性血管炎の存在であるが,経気管支肺生検(TBLB)でこれらの所見を得ることは困難である.症例.41歳男性.38歳時気管支喘息を発症し,重症持続型のため内服ステロイド薬治療をしていた.労作時呼吸困難,胸部X線写真にて両肺野に浸潤影が出現し当院紹介受診となった.末梢血白血球数は11,300/μl,好酸球は3,277/μlであり,気管支肺胞洗浄液中の好酸球は85.0%と増多を認めた.明らかな血管炎症状は認めずMPO-ANCAも陰性であったが,TBLBにて壊死性肉芽腫および血管炎を認めAGAと診断した.結論.内服ステロイド薬の常用により血管炎症状が顕在化しない場合,AGAの診断が困難となると考えられる.本症例ではTBLBによる組織所見がAGAの早期診断に有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.33.2_104