30.緩徐な縦隔リンパ節拡大を示し,3コースの化学療法が著効した小細胞癌の1症例(第134回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例は58歳男性. 嗄声の精査目的で紹介受診された. 胸部CT画像で#4Lリンパ節腫大を認め, 気管支鏡検査で同部位のリンパ節生検(EBUS-TBNA)を施行した. 病理学的には小細胞癌の所見でcT0N2M0の診断であった. 2年以上前に他科で撮影した胸部CT画像でも同部位にリンパ節腫大を認め, 緩徐に拡大した腫瘍であることが確認された. シスプラチンとエトポシドを用いた放射線同時併用化学療法を施行したのち, 同化学療法を2回反復した. 術前に認めた腫瘍マーカー(Pro-GRP)111pg/mlは38.8に低下し, FDG-PETの集積像を認めなくなった. 小細胞肺癌は進行が速く, 限局型で放...

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Veröffentlicht in:気管支学 2010/11/25, Vol.32(6), pp.563
Hauptverfasser: 田中, 彩絵, 福島, 史哉, 吉田, 匠生, 角田, 卓也, 曽田, 紗世, 永澤, 潤哉, 町田, 安孝, 村山, 慶樹, 横山, 達也, 塩原, 太一, 渡部, 峰明, 小原, 一記, 松野, 和彦, 新井, 良, 林, ゆめ子, 神谷, 周良, 館脇, 正充, 降旗, 友恵, 知花, 和行, 福島, 康次, 福田, 健, 三好, 祐顕, 武政, 聡浩, 石井, 芳樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は58歳男性. 嗄声の精査目的で紹介受診された. 胸部CT画像で#4Lリンパ節腫大を認め, 気管支鏡検査で同部位のリンパ節生検(EBUS-TBNA)を施行した. 病理学的には小細胞癌の所見でcT0N2M0の診断であった. 2年以上前に他科で撮影した胸部CT画像でも同部位にリンパ節腫大を認め, 緩徐に拡大した腫瘍であることが確認された. シスプラチンとエトポシドを用いた放射線同時併用化学療法を施行したのち, 同化学療法を2回反復した. 術前に認めた腫瘍マーカー(Pro-GRP)111pg/mlは38.8に低下し, FDG-PETの集積像を認めなくなった. 小細胞肺癌は進行が速く, 限局型で放射線同時併用化学療法を施行した場合でも生存期間中央値2年, 3年生存率約30%程度とされる. しかし, なかには緩徐な進行を示す症例があり, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.6_563_5