9. Pasteurella multocidaによる慢性下気道感染症の1例
Pasteurella属細菌は, 哺乳動物(ネコ・イヌなど), 鳥類の上気道および消化管の粘膜から高頻度に検出される. ヒトへの感染は, おもに保菌しているネコ・イヌからの感染であり, ヒト・ヒト感染は極めて稀である. 呼吸器感染症の多くは慢性下気道・肺疾患を有する患者に二次的に感染症を来す. 今回, 我々はPasteurella multocidaが気管支洗浄液より分離培養された慢性下気道感染症症例を経験したので, 報告する. 【症例】50歳女性. アレルギー性鼻炎で近医よりステロイド筋注施行. 自宅でネコを10匹室内で飼育. 咳嗽, 胸痛, 呼吸苦で受診. 胸部画像上, 右下葉に炎症性変化...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2010, Vol.32 (6), p.559-560 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Pasteurella属細菌は, 哺乳動物(ネコ・イヌなど), 鳥類の上気道および消化管の粘膜から高頻度に検出される. ヒトへの感染は, おもに保菌しているネコ・イヌからの感染であり, ヒト・ヒト感染は極めて稀である. 呼吸器感染症の多くは慢性下気道・肺疾患を有する患者に二次的に感染症を来す. 今回, 我々はPasteurella multocidaが気管支洗浄液より分離培養された慢性下気道感染症症例を経験したので, 報告する. 【症例】50歳女性. アレルギー性鼻炎で近医よりステロイド筋注施行. 自宅でネコを10匹室内で飼育. 咳嗽, 胸痛, 呼吸苦で受診. 胸部画像上, 右下葉に炎症性変化あり. その後, 右下葉の病変の増大傾向を認めた. 抗菌剤内服加療するも画像所見は改善せず気管支鏡検査を施行. 気管支洗浄液一般細菌培養で, Pasteurella multocida検出. アモキシシリン(250)6C3X内服加療で改善傾向である. ペットとの濃厚な接触歴のある慢性下気道感染症症例では, Pasteurella multocidaも原因菌の可能性にあげる必要があると考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |