14.気管支鏡下肺区域洗浄により症状の改善を認めた肺胞蛋白症の1例(第87回 日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会)

症例は42歳男性. 2009年11月咳嗽が目立つようになり, 画像上両側中下肺野にびまん性網状陰影を認めた. 気管支肺胞洗浄は米のとぎ汁様であり, PAS染色陽性の顆粒状物質が検出され肺胞蛋白症と診断した. 軽症の範疇であり外来にて経過観察を行っていたが, 2010年3月より, 咳嗽, 労作時呼吸困難感, 全身倦怠感が著明となり, 肺胞蛋白症の増悪にて同年3月上旬当院入院した. 気管支鏡下にて肺区域洗浄を計3回施行した. 右S8, 左S8+9, 右S9に対し, それぞれ約500mlで洗浄を行った. 自覚症状および画像上改善を認め, 呼吸機能検査もFVC 3.08l(81.8%)→3.36l(8...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2010/09/25, Vol.32(5), pp.469
Hauptverfasser: 板東, 千昌, 松岡, 洋人, 森村, 治, 岡藤, 浩平, 白山, 敬之, 小森, 千佳, 森下, 裕, 宍戸, 克子, 宍戸, 直彦, 石原, 英樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は42歳男性. 2009年11月咳嗽が目立つようになり, 画像上両側中下肺野にびまん性網状陰影を認めた. 気管支肺胞洗浄は米のとぎ汁様であり, PAS染色陽性の顆粒状物質が検出され肺胞蛋白症と診断した. 軽症の範疇であり外来にて経過観察を行っていたが, 2010年3月より, 咳嗽, 労作時呼吸困難感, 全身倦怠感が著明となり, 肺胞蛋白症の増悪にて同年3月上旬当院入院した. 気管支鏡下にて肺区域洗浄を計3回施行した. 右S8, 左S8+9, 右S9に対し, それぞれ約500mlで洗浄を行った. 自覚症状および画像上改善を認め, 呼吸機能検査もFVC 3.08l(81.8%)→3.36l(8&5%), FEV1.0 2.49l(73.3%)→2.63l(77.5%), DLco 53.2%→58.0%と改善を認めた. 肺胞蛋白症の標準的治療法は全身麻酔下全肺洗浄が一般的であり, 軟性気管支鏡による区域洗浄は手軽ではあるが効果が不十分とされ, 欧米ではほとんど行われていない. しかし症例によっては, 気管支鏡下での洗浄でも有効であると考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.5_469_3