気管支鏡所見とカプセル内視鏡所見を認めた悪性黒色腫の1例
背景.悪性黒色腫はリンパ行性・血行性に転移しやすく,早期から遠隔転移をきたす極めて悪性度の高い予後不良な疾患である.症例.56歳の男性.左側腹部痛,全身倦怠感のため近医を受診したところ,腹部超音波検査で後腹膜の腫瘤性病変を,胸部単純X線写真で異常陰影を認めたため紹介となった.精査にて両肺,左側頭葉,両側副腎,甲状腺両葉に腫瘤を認めた.悪性腫瘍の多臓器転移が疑われ,経気管支肺生検,経皮的甲状腺針生検にて悪性黒色腫を検出したが,皮膚病変や眼病変は認められなかった.上部・下部消化管内視鏡検査では異常はみられなかったが,貧血の進行のためカプセル内視鏡を施行したところ,小腸に黒色の腫瘤病変を認めた.以上...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2010/07/25, Vol.32(4), pp.356-360 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.悪性黒色腫はリンパ行性・血行性に転移しやすく,早期から遠隔転移をきたす極めて悪性度の高い予後不良な疾患である.症例.56歳の男性.左側腹部痛,全身倦怠感のため近医を受診したところ,腹部超音波検査で後腹膜の腫瘤性病変を,胸部単純X線写真で異常陰影を認めたため紹介となった.精査にて両肺,左側頭葉,両側副腎,甲状腺両葉に腫瘤を認めた.悪性腫瘍の多臓器転移が疑われ,経気管支肺生検,経皮的甲状腺針生検にて悪性黒色腫を検出したが,皮膚病変や眼病変は認められなかった.上部・下部消化管内視鏡検査では異常はみられなかったが,貧血の進行のためカプセル内視鏡を施行したところ,小腸に黒色の腫瘤病変を認めた.以上より悪性黒色腫の多臓器転移と診断した.結語.本症例は原発巣が不明であるが,気管支鏡所見に加えて,カプセル内視鏡所見を有し,多臓器の病変を確認しえた貴重な症例と思われた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.32.4_356 |