1.縦隔リンパ節および遠隔転移を認めた定型カルチノイドの2症例(第132回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

症例1は84歳女性. 糖尿病と慢性腎不全で経過観察中に胸部X線写真および胸部CTで腫瘤性陰影を認め紹介受診された. 胸部CTで右S6に大きさ43mmの腫瘤陰影を認め, 両側肺野の多発性結節性陰影と縦隔リンパ節に腫大所見を認めた. 気管支鏡検査で右B6b内腔に腫瘤像を認め, 生検腫瘍の組織学的所見は, 定型カルチノイドであった. 症例2は80歳女性. 体重減少精査中に腹部超音波検査で肝内腫瘤病変を認め, その後のPET検査で肝腫瘤, 右中葉腫瘤, 右肺門部および気管分岐部リンパ節に異常集積像を認めた. 気管支鏡検査において肺野病変で悪性細胞を確認できなかったが, 気管分岐部リンパ節生検(EBUS...

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Veröffentlicht in:気管支学 2010/05/25, Vol.32(3), pp.292
Hauptverfasser: 武政, 聡浩, 三好, 祐顕, 石井, 芳樹, 安西, 真紀子, 館脇, 正充, 池田, 直哉, 市川, 寿子, 渡部, 峰明, 野村, 由至, 吉田, 匠生, 松野, 和彦, 新井, 良, 林, ゆめ子, 神谷, 周良, 降旗, 友恵, 福島, 史哉, 知花, 和行, 福島, 康次, 福田, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:症例1は84歳女性. 糖尿病と慢性腎不全で経過観察中に胸部X線写真および胸部CTで腫瘤性陰影を認め紹介受診された. 胸部CTで右S6に大きさ43mmの腫瘤陰影を認め, 両側肺野の多発性結節性陰影と縦隔リンパ節に腫大所見を認めた. 気管支鏡検査で右B6b内腔に腫瘤像を認め, 生検腫瘍の組織学的所見は, 定型カルチノイドであった. 症例2は80歳女性. 体重減少精査中に腹部超音波検査で肝内腫瘤病変を認め, その後のPET検査で肝腫瘤, 右中葉腫瘤, 右肺門部および気管分岐部リンパ節に異常集積像を認めた. 気管支鏡検査において肺野病変で悪性細胞を確認できなかったが, 気管分岐部リンパ節生検(EBUS-TBNA)で定型カルチノイド所見を認めた. 気管支・肺カルチノイド腫瘍は, 一般的に発育が緩徐でlow grade malignancyとされている. しかし, 組織学的・細胞形態学的に定型カルチノイド像を呈する症例であってもリンパ節や遠隔転移を示す2例を経験したので報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.3_292_1