FDG-PET/CTが診断治療に有用であった気道病変先行型再発性多発性軟骨炎(RP)の1例

「要約」背景. 再発性多発性軟骨炎(RP)は全身の軟骨を病変の主座とする比較的稀な疾患である. 中でも気道病変先行型では早期診断が困難であり, 病変が進行し不可逆的な障害をきたすことも多い. 症例. 61歳, 男性. 主訴は乾性咳嗽. 上気道炎や咳喘息を疑われ, 抗生剤, 吸入ステロイド剤を投与されるも無効であった. FDG-PET/CTを施行したところ, 気管軟骨部に一致してFDGの集積が認められ, 気管支内視鏡検査では気管軟骨部の発赤腫脹と左主気管支入口部の変形・狭窄を認めた. 眼病変の存在と, それに対して使用したステロイドで症状が軽快したことを合わせ, RPと診断した. プレドニゾロン...

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Veröffentlicht in:気管支学 2010, Vol.32 (2), p.169-175
Hauptverfasser: 片山優子, 西川滋人, 谷村和哉, 伏屋芳紀, 曽和晃正, 高橋珠紀, 濱田和幸, 菅理晴, 千葉渉, 北英夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」背景. 再発性多発性軟骨炎(RP)は全身の軟骨を病変の主座とする比較的稀な疾患である. 中でも気道病変先行型では早期診断が困難であり, 病変が進行し不可逆的な障害をきたすことも多い. 症例. 61歳, 男性. 主訴は乾性咳嗽. 上気道炎や咳喘息を疑われ, 抗生剤, 吸入ステロイド剤を投与されるも無効であった. FDG-PET/CTを施行したところ, 気管軟骨部に一致してFDGの集積が認められ, 気管支内視鏡検査では気管軟骨部の発赤腫脹と左主気管支入口部の変形・狭窄を認めた. 眼病変の存在と, それに対して使用したステロイドで症状が軽快したことを合わせ, RPと診断した. プレドニゾロンでさらに治療開始したところ, 症状は消失し, FDG-PET/CTおよび気管支鏡検査所見も正常化した. 結語. 本疾患においては, 一般的に早期診断が困難とされているが, 本例では早期診断および治療効果判定にFDG-PET/CTが有用であった. 「はじめに」再発性多発性軟骨炎relapsing polychondritis(以下RP)は, 全身の軟骨を病変の主座とする, 再発性・反復性の炎症性疾患である. 細胞外マトリックスであるproteoglycanを含む軟骨などの組織が障害され, 自己免疫の関与が強く示唆される比較的稀な疾患である.
ISSN:0287-2137