7.気道病変を観察しえたWegener肉芽腫症の1例(第38回 日本呼吸器内視鏡学会中部支部会)

症例は60歳男性. 主訴は頭痛と鼻出血. 2009年4月より右側頭部痛と鼻出血が出現し持続した. 6月上旬当院耳鼻科を受診, 副鼻腔CTで右上顎洞と両側の篩骨洞に陰影を認めた. その後, 食思不振と両眼の強膜炎も出現. 7月から咳嗽が出現し, 上旬当科を初診. 胸部単純写真で両上肺の気腫に加え両下肺の網状影を認めた. 3日後より発熱と軽度の血痰も出現. MPO-ANCAは51EUと上昇していた. 耳鼻科にて左中甲介前端の粘膜生検を行い, 血管炎の所見は認めたものの肉芽腫はなし. 5日後気管支鏡検査を施行. 気管以下に小粒状結節が多発していた. 同部位の生検でも肉芽腫は認めなかったものの, 診断...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2010/01/25, Vol.32(1), pp.86
Hauptverfasser: 雪田, 洋介, 進藤, 丈, 安藤, 守秀, 安部, 崇, 白木, 晶, 古川, 華子, 加藤, 俊夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は60歳男性. 主訴は頭痛と鼻出血. 2009年4月より右側頭部痛と鼻出血が出現し持続した. 6月上旬当院耳鼻科を受診, 副鼻腔CTで右上顎洞と両側の篩骨洞に陰影を認めた. その後, 食思不振と両眼の強膜炎も出現. 7月から咳嗽が出現し, 上旬当科を初診. 胸部単純写真で両上肺の気腫に加え両下肺の網状影を認めた. 3日後より発熱と軽度の血痰も出現. MPO-ANCAは51EUと上昇していた. 耳鼻科にて左中甲介前端の粘膜生検を行い, 血管炎の所見は認めたものの肉芽腫はなし. 5日後気管支鏡検査を施行. 気管以下に小粒状結節が多発していた. 同部位の生検でも肉芽腫は認めなかったものの, 診断基準を満たすためEL型Wegener肉芽腫症と診断した. PSL 50mg+CPA 100mgで治療開始し, 症状・胸部陰影・気道病変の改善をみた. 興味深い気道所見を観察しえたため, 報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.1_86_1