気管支鏡検査ならびに胸水検査にて診断が確定せず,軟性気管支鏡による胸腔鏡検査で診断した進行肺癌6症例の検討

背景.近年,セミフレキシブル胸腔鏡が出るなど,内科医が胸腔鏡検査を施行する頻度も増えてきたと思われる.今回,我々は症例を選べば,従来の軟性気管支鏡を使っても同様の検査が施行できたので報告する.対象.2006年4月から2008年12月までの肺癌症例で軟性気管支鏡による胸腔鏡検査で肺癌と診断された6症例.方法.内径7または8mmのポートを胸腔内に挿入し,そこから軟性気管支鏡(Olympus BF-260)を用いて,胸腔内の観察,生検などを行った.結果.6症例とも癌性胸膜炎を疑ったが,いずれも胸水細胞診陰性でかつ肺野病変を認めた.そのうち,3例では気管支鏡検査にて確定診断がつかなかった.残り3例は気...

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Veröffentlicht in:気管支学 2010/01/25, Vol.32(1), pp.9-13
Hauptverfasser: 永川, 博康, 岡田, 徹, 青木, 利夫, 早川, 信崇, 大内, 基史, 井澤, 豊春
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.近年,セミフレキシブル胸腔鏡が出るなど,内科医が胸腔鏡検査を施行する頻度も増えてきたと思われる.今回,我々は症例を選べば,従来の軟性気管支鏡を使っても同様の検査が施行できたので報告する.対象.2006年4月から2008年12月までの肺癌症例で軟性気管支鏡による胸腔鏡検査で肺癌と診断された6症例.方法.内径7または8mmのポートを胸腔内に挿入し,そこから軟性気管支鏡(Olympus BF-260)を用いて,胸腔内の観察,生検などを行った.結果.6症例とも癌性胸膜炎を疑ったが,いずれも胸水細胞診陰性でかつ肺野病変を認めた.そのうち,3例では気管支鏡検査にて確定診断がつかなかった.残り3例は気管支鏡検査のリスクが高く胸腔鏡検査を優先した.全例で胸壁に腫瘍性病変を認め,肺癌の胸膜播種と診断した.結論.癌性胸膜炎を疑い,胸水穿刺や気管支鏡で肺癌の確定診断が得られない場合,従来の軟性気管支鏡を代用しての胸腔鏡検査は肺癌診断に有用である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.32.1_9