41.腫瘍表面が真菌塊に覆われて診断に苦労した腎盂腫瘍合併肺小細胞癌の1例(第32回日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
症例は58歳男性. 1年前より糖尿病を指摘されていたがコントロール不良であった. 2008年9月腹痛にて近医受診し, 腹部CTで左腎盂腫瘍を指摘され, 11月に当院泌尿器科で手術予定であった. しかし同年10月中旬に血痰, 咳嗽症状が出現し, 近医受診したところ胸部X線異常陰影を指摘され当科紹介受診となった. 胸部CTにて右肺門部に3cm大の腫瘤影を認め, 原発性肺癌あるいは腎盂腫瘍の転移が疑われ, 10月下旬気管支鏡検査を施行した. 右上葉気管支の閉塞と血餅・白苔付着所見を認め, 生検病理でアスペルギルスに類似する真菌塊が観察されたため, 気管支真菌症の診断で7日後当科入院となった. 入院時...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2009/09/25, Vol.31(5), pp.356 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は58歳男性. 1年前より糖尿病を指摘されていたがコントロール不良であった. 2008年9月腹痛にて近医受診し, 腹部CTで左腎盂腫瘍を指摘され, 11月に当院泌尿器科で手術予定であった. しかし同年10月中旬に血痰, 咳嗽症状が出現し, 近医受診したところ胸部X線異常陰影を指摘され当科紹介受診となった. 胸部CTにて右肺門部に3cm大の腫瘤影を認め, 原発性肺癌あるいは腎盂腫瘍の転移が疑われ, 10月下旬気管支鏡検査を施行した. 右上葉気管支の閉塞と血餅・白苔付着所見を認め, 生検病理でアスペルギルスに類似する真菌塊が観察されたため, 気管支真菌症の診断で7日後当科入院となった. 入院時より抗真菌薬ボリコナゾール点滴を開始し, 真菌塊の除去目的で同日に再度気管支鏡を行ったところ, 前回見られた白苔の付着はなく, 右上葉入口部を閉塞する表面平滑な白色調の腫瘤が観察されたため, 生検鉗子を用いて可能な限りの腫瘤除去を行って終了した. しかし後日の生検組織病理の結果, 肺原発の小細胞癌と診断された. 遠隔転移巣はなくLD症例であるため, 放射線療法+全身化学療法を開始した. これまでに肺切除術後の気管支断端にアスペルギルスなどの真菌塊が観察された報告はあるが, 本症例のような気管支内腔に突出した腫瘍表面に真菌塊が付着したような報告はほとんどなく貴重な症例であると考え文献的考察を含め報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.5_356_2 |