14.原因不明の胸水で発症し局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検で診断した胸膜悪性中皮腫の1例(第32回日本呼吸器内視鏡学会九州支部会)
【はじめに】近年, アスベスト曝露による悪性中皮腫が増加し注目されている. 今回. 原因不明の胸水で発症し局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検で診断できた胸膜悪性中皮腫の1例を経験したので報告する. 【症例】87歳, 男性. 既往歴:造船業勤務にてアスベスト曝露歴あり. 喫煙:20本/日×50年. 家族歴:姉;胃癌, 兄;肺癌. 主訴:労作時呼吸困難. 現病歴:陳旧性心筋梗塞, 狭心症, 気管支喘息にて循環器科外来に通院中であった. 2007年11月上旬呼吸困難あり外来受診し胸部X線で胸水を指摘され精査入院となった. 胸水は滲出性でCEA 2.9ng/ml, 細胞診はclass IIであった. 胸水...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2009/09/25, Vol.31(5), pp.350 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】近年, アスベスト曝露による悪性中皮腫が増加し注目されている. 今回. 原因不明の胸水で発症し局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検で診断できた胸膜悪性中皮腫の1例を経験したので報告する. 【症例】87歳, 男性. 既往歴:造船業勤務にてアスベスト曝露歴あり. 喫煙:20本/日×50年. 家族歴:姉;胃癌, 兄;肺癌. 主訴:労作時呼吸困難. 現病歴:陳旧性心筋梗塞, 狭心症, 気管支喘息にて循環器科外来に通院中であった. 2007年11月上旬呼吸困難あり外来受診し胸部X線で胸水を指摘され精査入院となった. 胸水は滲出性でCEA 2.9ng/ml, 細胞診はclass IIであった. 胸水の原因不明で11月中旬退院した. その後も胸水貯留にて入院を繰り返し, 頻回の胸水細胞診にて悪性所見なし. 胸部X線, CT検査にて胸膜プラークおよび腫瘤あり, 悪性中皮腫あるいは肺癌/癌性胸膜炎を疑い, 2008年1月下旬胸腔鏡下胸膜生検施行した. 病理組織で悪性中皮腫の診断を得た. 無治療で在宅酸素療法を導入し経過観察した. 【考案・結語】近年, 悪性中皮腫が増加しているが. 診断に苦慮することも多い. 本例のように, アスベスト曝露歴があり, 胸膜プラーク/肥厚が認められる原因不明の胸水では, 積極的に局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検が診断に有用である. 悪性中皮腫の診断では, アスベスト曝露歴, 画像所見および病理学的診断を併せた総合的な診断が重要である. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.5_350_2 |