舌区切除術を行った気管支開口型肺内気管支性嚢胞の1例

背景.気管支性嚢胞の中でも,肺内気管支性嚢胞は頻度が少ない.特に,主要気道に開口部が観察されることは稀である.舌区切除術にて摘出した症例を経験したので報告する.症例.36歳,女性.数年前から繰り返す咳,痰,発熱,左胸痛を訴え受診.胸部CTにて左肺門に嚢胞性病変を認め,周囲肺の気腫性変化を伴っていた.その3D画像では嚢胞は上下葉気管支分岐部に連続していた.気管支内視鏡では,左上下葉気管支分岐部に径3mmの開口部があり,粘液が流出していた.手術は,舌区切除術を行ったが,血管周囲の炎症性変化が高度であった.病理所見では,軟骨が欠損した気管支上皮を認め,肺内気管支性嚢胞と診断した.結論.主要気道に開口...

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Veröffentlicht in:気管支学 2009/09/25, Vol.31(5), pp.298-302
Hauptverfasser: 吉岡, 正一, 高木, 誠, 岩本, 範博, 菅, 守隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.気管支性嚢胞の中でも,肺内気管支性嚢胞は頻度が少ない.特に,主要気道に開口部が観察されることは稀である.舌区切除術にて摘出した症例を経験したので報告する.症例.36歳,女性.数年前から繰り返す咳,痰,発熱,左胸痛を訴え受診.胸部CTにて左肺門に嚢胞性病変を認め,周囲肺の気腫性変化を伴っていた.その3D画像では嚢胞は上下葉気管支分岐部に連続していた.気管支内視鏡では,左上下葉気管支分岐部に径3mmの開口部があり,粘液が流出していた.手術は,舌区切除術を行ったが,血管周囲の炎症性変化が高度であった.病理所見では,軟骨が欠損した気管支上皮を認め,肺内気管支性嚢胞と診断した.結論.主要気道に開口部を有するために炎症を繰り返していた肺内気管支性嚢胞に対し,マルチスライスCTと気管支鏡が術前確定診断に有用であり,舌区切除術によって根治した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.5_298