8.咳嗽と区域気管支レベルの数珠状狭窄が診断の契機となった原発性気管支動脈蔓状血管腫の1例(第128回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
症例は55歳男性. 咳嗽を主訴に当センターを受診した. 胸部X線写真では明らかな異常を認めなかったが, 胸部CTの横断像にで右上葉気管支に沿った結節性病変と, それによる気道狭窄が認められた. 縦隔には腫大した約10mm径の結節性陰影を認め, 当初は縦隔リンパ節と考えた. これらが血管性病変である可能性を否定できないため, 造影CTを行ったところ上記陰影は縦隔内および右上葉気管支に伴走する拡張・蛇行した気管支動脈と分かった. 背景となる肺病変がないため, 原発性気管支動脈蔓状血管腫と診断した. 上記病変が破裂した場合には致死的な経過が予想されるため, 右気管支動脈にコイル塞栓術を施行した. 以...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2009/07/25, Vol.31(4), pp.260 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は55歳男性. 咳嗽を主訴に当センターを受診した. 胸部X線写真では明らかな異常を認めなかったが, 胸部CTの横断像にで右上葉気管支に沿った結節性病変と, それによる気道狭窄が認められた. 縦隔には腫大した約10mm径の結節性陰影を認め, 当初は縦隔リンパ節と考えた. これらが血管性病変である可能性を否定できないため, 造影CTを行ったところ上記陰影は縦隔内および右上葉気管支に伴走する拡張・蛇行した気管支動脈と分かった. 背景となる肺病変がないため, 原発性気管支動脈蔓状血管腫と診断した. 上記病変が破裂した場合には致死的な経過が予想されるため, 右気管支動脈にコイル塞栓術を施行した. 以後当センターで経過観察しているが, 血管の再疎通はない. 本症はまれな疾患であり, 咳嗽を主訴に受診して気管支の結節性病変と気管支狭窄で発見されることは過去に報告がない. このような症例では本症を疑うことが重要であり, 報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.31.4_260_3 |