31.白苔形成を呈し,気管支結核と鑑別を要した肺扁平上皮癌の1例(第17回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は88歳男性. 2007年7月より湿性咳嗽, 血痰が出現した. 改善傾向を認めないため近医にて胸部X線を施行したところ, 左肺野に異常陰影を指摘され当院紹介となった. 気管支鏡検査を施行したところ, 左主気管支の粘膜に多発性の白苔を伴う潰瘍及び周囲の発赤を認めた. 気管支鏡所見からは気管支結核が最も疑われたが, 同部位の複数回における擦過塗抹, 気管支洗浄でいずれも結核菌は陰性であった. 経気管支肺生検, ブラシによる細胞診にていずれも扁平上皮癌の細胞が検出され, 肺扁平上皮癌と診断された. 非小細胞肺癌(T4N0M0) stage IIIBの診断にてドセタキセル単剤療法を4コース施行した...

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Veröffentlicht in:気管支学 2009/05/25, Vol.31(3), pp.176
Hauptverfasser: 梅村, 茂樹, 工藤, 健一郎, 二宮, 崇, 絹川, 真英, 洲脇, 俊充, 塩手, 康弘, 山根, 弘路, 亀井, 治人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は88歳男性. 2007年7月より湿性咳嗽, 血痰が出現した. 改善傾向を認めないため近医にて胸部X線を施行したところ, 左肺野に異常陰影を指摘され当院紹介となった. 気管支鏡検査を施行したところ, 左主気管支の粘膜に多発性の白苔を伴う潰瘍及び周囲の発赤を認めた. 気管支鏡所見からは気管支結核が最も疑われたが, 同部位の複数回における擦過塗抹, 気管支洗浄でいずれも結核菌は陰性であった. 経気管支肺生検, ブラシによる細胞診にていずれも扁平上皮癌の細胞が検出され, 肺扁平上皮癌と診断された. 非小細胞肺癌(T4N0M0) stage IIIBの診断にてドセタキセル単剤療法を4コース施行したところ, 4コース後の気管支鏡所見では, 粘膜面の白苔は消失し著明な改善傾向を認めた. 気管支鏡所見にて広範囲な白苔形成を呈する肺癌は稀であり, 気管支結核との鑑別が重要であると考えられたため, 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.3_176_3