11.木片直撃による頸部気管・食道損傷の1手術例(第31回日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)

症例は73歳, 男性. 自宅の電動工具で木工作業中に, 木片が前頸部を直撃・刺傷した. 友人により木片除去され, 近医受診後に救急車来院. 来院時血圧125/80, 脈拍95/m, 意識は清明だが, 呼吸時に頸部創よりairが噴出した. CT検査では頸部気管損傷と縦隔気腫がみられた. 食道損傷の有無は不明であった. 直ちに手術の方針とした. 頸部創を圧迫して通常どおりに麻酔導入が可能であった. 手術創は損傷部位を左右に広げた. 前頸筋群を切離すると, 甲状腺は峡部で左右に分断され, 気管は第3, 4気管軟骨で前方約1/2周が損傷されていた. 食道は同部位で貫通刺傷となっており, 頸椎前面まで達...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:気管支学 2008/11/25, Vol.30(6), pp.414
Hauptverfasser: 阿南, 健太郎, 平川, 泰平, 徳石, 恵太, 小野, 潔, 宮脇, 美千代, 中城, 正夫, 武野, 慎祐, 山本, 聡, 山下, 真一, 川原, 克信
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は73歳, 男性. 自宅の電動工具で木工作業中に, 木片が前頸部を直撃・刺傷した. 友人により木片除去され, 近医受診後に救急車来院. 来院時血圧125/80, 脈拍95/m, 意識は清明だが, 呼吸時に頸部創よりairが噴出した. CT検査では頸部気管損傷と縦隔気腫がみられた. 食道損傷の有無は不明であった. 直ちに手術の方針とした. 頸部創を圧迫して通常どおりに麻酔導入が可能であった. 手術創は損傷部位を左右に広げた. 前頸筋群を切離すると, 甲状腺は峡部で左右に分断され, 気管は第3, 4気管軟骨で前方約1/2周が損傷されていた. 食道は同部位で貫通刺傷となっており, 頸椎前面まで達していた. 頸動脈や頸静脈, 頸椎の損傷などはみられなかった. 頸部気管をトリミングした後に4-0PDS-IIで結節縫合を行った. 食道は前後の損傷部位を, それぞれ層々に4-0PDS-IIで縫合閉鎖した. 創部および縦隔内を生食で十分に洗浄して, 小木片を洗い流した. 左胸鎖乳突筋を食道の気管測および動脈側へ補填し, 縦隔および頸部にドレーン挿入して創を閉じた. 術後経過は良好で術後12日目に経口摂取を再開した.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.6_414_3