小細胞肺癌治療中に気管支食道瘻を合併し保存的治療で閉鎖し得た1例

61歳男性. 嚥下困難, 通過障害を主訴に受診. 胸部CTで, 右主気管支周囲から気管分岐下にかけて約8cm大の腫瘤影を認めた. 気管支鏡検査で小細胞肺癌と診断. 放射線治療(total 53Gy)と化学療法(CBDCA+VP-16)を開始した. 放射線治療終了後より, 抗菌薬投与で軽快する肺炎を繰り返した. 肺炎の原因として気管支食道瘻が疑われたため, 上部消化管および気管支内視鏡検査を施行し, 門歯列より20cmの食道粘膜に著明な白苔を伴う陥凹性病変を認め, さらに, 気管分岐部直下の左右主気管支に2ヵ所の瘻孔を認めた. 気管支食道瘻に対して絶飲食, 経鼻経管栄養による保存的治療を行い,...

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Hauptverfasser: 塚原利典, 金子猛, 塩原康正, 築地淳, 伊藤優, 小泉晴美, 戸田万里子, 綿貫祐司, 石ヶ坪良明, 高橋和久
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:61歳男性. 嚥下困難, 通過障害を主訴に受診. 胸部CTで, 右主気管支周囲から気管分岐下にかけて約8cm大の腫瘤影を認めた. 気管支鏡検査で小細胞肺癌と診断. 放射線治療(total 53Gy)と化学療法(CBDCA+VP-16)を開始した. 放射線治療終了後より, 抗菌薬投与で軽快する肺炎を繰り返した. 肺炎の原因として気管支食道瘻が疑われたため, 上部消化管および気管支内視鏡検査を施行し, 門歯列より20cmの食道粘膜に著明な白苔を伴う陥凹性病変を認め, さらに, 気管分岐部直下の左右主気管支に2ヵ所の瘻孔を認めた. 気管支食道瘻に対して絶飲食, 経鼻経管栄養による保存的治療を行い, 約8ヵ月後に上部消化管および気管支内視鏡検査を再施行した. いずれの粘膜面でも白苔の消失と瘻孔の閉鎖が確認された. 小細胞肺癌治療中に気管食道瘻を認めたが保存的治療で閉鎖し得た症例を, 若干の文献的考察を踏まえて報告する.
ISSN:0287-2137