胸水貯留で発症し胸腔鏡下胸膜生検で診断しえた胸膜サルコイドーシスの1例

55歳女性. 40歳頃より混合性結合組織病(MCTD)の診断で, 当院リウマチ内科で経過観察されており, 病勢は安定していた. 52歳時に多発する皮下結節を認めたため, 当院皮膚科に入院し, 同部位の生検よりサルコイドーシスと診断されたが, 治療適応はなく, 経過観察されていた. 2007年10月に右胸水貯留を認めたため, 当科に入院した. 胸水は浸出性で, リンパ球優位の細胞数増多を認めた. 盲目的胸膜生検では明らかな悪性腫瘍, 結核による病変を認めず, 無治療で胸水が減少したため退院した. 胸水再貯留を認めたため2008年1月に再入院し, 胸腔鏡下胸膜生検を施行された. 壁側胸膜に多発する...

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Hauptverfasser: 森本耕吉, 宮本京介, 國本博義, 浅野浩一郎, 辻村周子, 中谷理恵, 佐山宏一, 長谷川直樹, 田坂定智, 石坂彰敏, 羽藤泰, 堀之内宏久, 小林紘一, 高橋和久
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:55歳女性. 40歳頃より混合性結合組織病(MCTD)の診断で, 当院リウマチ内科で経過観察されており, 病勢は安定していた. 52歳時に多発する皮下結節を認めたため, 当院皮膚科に入院し, 同部位の生検よりサルコイドーシスと診断されたが, 治療適応はなく, 経過観察されていた. 2007年10月に右胸水貯留を認めたため, 当科に入院した. 胸水は浸出性で, リンパ球優位の細胞数増多を認めた. 盲目的胸膜生検では明らかな悪性腫瘍, 結核による病変を認めず, 無治療で胸水が減少したため退院した. 胸水再貯留を認めたため2008年1月に再入院し, 胸腔鏡下胸膜生検を施行された. 壁側胸膜に多発する灰白色の小結節を認め, 同部位の生検で非乾酪壊死性類上皮肉芽腫を認めたため, 胸膜サルコイドーシスに伴う胸水貯留と診断した. サルコイドーシスによる胸水貯留はまれであり, また胸腔鏡下胸膜生検の有用性を示すものと考えられた.
ISSN:0287-2137