36. 珪肺症に併発し,気管支壁に沿った進展を呈した肺扁平上皮癌の1例(第16回日本呼吸器内視鏡学会中国四国支部会)

症例は71歳男性. 20歳から52歳までレンガ会社にて粉砕あるいは成形に従事していた. 珪肺症, 続発性気管支炎にて労災認定を受け近医において加療を受けていたが, 2006年8月になり咳嗽が増強した. 胸部X線にて新たな異常陰影を指摘され, また血清腫瘍マーカーの急激な上昇を認めたため当科を紹介受診した. 左下肺に径15mm大の結節陰影を認め, CTでは結節陰影から左主気管支にかけて気管支壁の不整な肥厚が認められた. 気管支鏡検査を施行したところ, 左主気管支内には不整な小隆起病変が広範囲にわたり多発しており, 生検の結果中分化型扁平上皮癌と診断された. 気管支壁に沿った進展様式は扁平上皮癌に...

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Veröffentlicht in:気管支学 2008/05/25, Vol.30(3), pp.163-164
Hauptverfasser: 藤本, 伸一, 岡田, 俊明, 小野, 勝一郎, 和田, 佐恵, 小崎, 晋司, 玄馬, 顕一, 岸本, 卓巳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は71歳男性. 20歳から52歳までレンガ会社にて粉砕あるいは成形に従事していた. 珪肺症, 続発性気管支炎にて労災認定を受け近医において加療を受けていたが, 2006年8月になり咳嗽が増強した. 胸部X線にて新たな異常陰影を指摘され, また血清腫瘍マーカーの急激な上昇を認めたため当科を紹介受診した. 左下肺に径15mm大の結節陰影を認め, CTでは結節陰影から左主気管支にかけて気管支壁の不整な肥厚が認められた. 気管支鏡検査を施行したところ, 左主気管支内には不整な小隆起病変が広範囲にわたり多発しており, 生検の結果中分化型扁平上皮癌と診断された. 気管支壁に沿った進展様式は扁平上皮癌においてはきわめてまれであると思われ, 若干の考察を加え報告する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.3_163_5