1. 著明な気管・気管支粘膜病変を呈したウェゲナー肉芽腫症の1例(第29回日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)

症例は55歳, 女性. 既往歴には特記すべき事はない. 2006年12月頃より軽度の咽頭痛を自覚し, 翌年1月下旬より38℃台の発熱と味覚障害が出現したため近医を受診した. 鼻腔から咽頭にかけて粘膜の発赤および多発する隆起性病変が認められ当院耳鼻科を紹介された. 検査上, 尿タンパク弱陽性, 抗核抗体とPR3-ANCAが高値であった. また, 胸部CTで気管・気管支に軽度の粘膜肥厚像と肺野に辺縁不明瞭な多発する浸潤陰影を認めた. 以上よりウェゲナー肉芽腫症が疑われ, 上気道の粘膜隆起病変の生検を施行したが明らかな肉芽腫形成や血管炎の所見は得られなかった. 胸部精査目的で当科を紹介され気管支鏡検...

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Veröffentlicht in:気管支学 2008/01/25, Vol.30(1), pp.46
Hauptverfasser: 石田, 健介, 奥村, 俊介, 平松, 美江, 佐々木, 高明, 渋川, 紀代子, 中田, 寛章, 黒田, 光, 中尾, 祥子, 豊嶋, 恵理, 小笠, 寿之, 長内, 忍, 大崎, 能伸, 長谷部, 直幸, 坂東, 伸幸, 原渕, 保明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は55歳, 女性. 既往歴には特記すべき事はない. 2006年12月頃より軽度の咽頭痛を自覚し, 翌年1月下旬より38℃台の発熱と味覚障害が出現したため近医を受診した. 鼻腔から咽頭にかけて粘膜の発赤および多発する隆起性病変が認められ当院耳鼻科を紹介された. 検査上, 尿タンパク弱陽性, 抗核抗体とPR3-ANCAが高値であった. また, 胸部CTで気管・気管支に軽度の粘膜肥厚像と肺野に辺縁不明瞭な多発する浸潤陰影を認めた. 以上よりウェゲナー肉芽腫症が疑われ, 上気道の粘膜隆起病変の生検を施行したが明らかな肉芽腫形成や血管炎の所見は得られなかった. 胸部精査目的で当科を紹介され気管支鏡検査を施行したところ, 喉頭から気管, 左右主気管支, 各亜区域気管支にかけて連続する広範囲な粘膜の発赤・浮腫と顆粒状変化を認めた. 一部は白色プラークで覆われていて易出血性であった. AFIでは粘膜は全体に蛍光が減弱し, 淡紅色を呈していた. 気管支粘膜生検では好中球主体の炎症細胞浸潤を認めた. サイクロフォスファミドとプレドニゾロンの投与により肺野病変は消失した. ウェゲナー肉芽腫症の気管支鏡所見の変化について過去の報告を含め検討・考察する.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.30.1_46_1