16.気管支鏡による肺胞洗浄が著効した肺胞蛋白症の1例(第30回 日本呼吸器内視鏡学会九州支部総会)
症例は66歳の女性. 健診にて胸部異常影を指摘され, 精査を目的に当科紹介入院となる. 気管支肺胞洗浄液(BALF)は白濁しており, またBALF中および血清中の抗GM-CSF抗体陽性であったことから特発性肺胞蛋白症(PAP)と診断した. 診断当初は去痰薬投与にて経過をみていたが, 次第に労作時呼吸困難の増強, および画像所見の増悪を認め, 治療目的で気管支鏡下に肺胞洗浄を2回施行した. 治療により画像所見および自覚症状は軽度改善したが, 治療約1年後より再び自覚症状と画像所見が増悪したため治療を目的とした肺胞洗浄を3回施行した. 今回は治療前後で明らかな画像所見および自覚症状の改善を認め,...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2007/11/25, Vol.29(6), pp.372 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は66歳の女性. 健診にて胸部異常影を指摘され, 精査を目的に当科紹介入院となる. 気管支肺胞洗浄液(BALF)は白濁しており, またBALF中および血清中の抗GM-CSF抗体陽性であったことから特発性肺胞蛋白症(PAP)と診断した. 診断当初は去痰薬投与にて経過をみていたが, 次第に労作時呼吸困難の増強, および画像所見の増悪を認め, 治療目的で気管支鏡下に肺胞洗浄を2回施行した. 治療により画像所見および自覚症状は軽度改善したが, 治療約1年後より再び自覚症状と画像所見が増悪したため治療を目的とした肺胞洗浄を3回施行した. 今回は治療前後で明らかな画像所見および自覚症状の改善を認め, 病勢を反映するとされるKL-6, SP-A, SP-D等も経過に伴い低下した. 進行するPAPの治療には全身麻酔下の片肺洗浄が有効であるとされている. しかし本症例のように, 患者への負担がより少ない気管支鏡下での肺胞洗浄を繰り返すことで, 病態の改善を得られる症例もあり, 最初に試みる治療法として有用と思われた. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.29.6_372_3 |